前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、週末の五十日で実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は一時110.98まで上昇したものの、111円台を前にして失速した。その後、米長期金利が低下したことから、ドル/円は上値の重い動きとなり、クロス円も連れ安となった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤に発表された5月の個人所得が2ヵ月連続のマイナスとなったことや、個人消費支出が市場予想を下回ったことなどが影響し、ドルは主要通貨に対して下落となった。その後、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇に転じた。さらに、6月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が前月からは上昇したことも好感され、ドル/円は一時110.88まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで序盤の上昇から一転して下落に転じたこともあり、対円でも終盤にかけて上値の重い動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された5月の個人所得・消費統計の結果を受けて、米景気回復に伴うインフレ加速への懸念が後退したことから主要株価指数は買いが先行した。さらに、前日にバイデン米大統領と超党派の上院議員がインフラ投資法案で合意したことも引き続き材料視された。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比304ドル高まで上昇した。引けにかけてはやや上げ幅を縮小したものの、237.02ドル高(+0.69%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利が上昇したことが影響し、9.32ポイント安(-0.06%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場の株高を受けて日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比298円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、週末の五・十日であったことから、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことも押し上げ要因となった。ドル/円は一時110.98まで上昇したものの、111円台回復とはならなかった。
(2)上昇一服後は、上値の重い動きとなり、特に1.50%台まで回復していた米10年債利回りが低下したことも加わり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。一方、ドル円の下落にクロス円も連れ安となった。
(3)NY市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤に発表された5月の個人所得・消費統計で、個人消費支出(PCE)物価指数が前月比で市場予想を下回る低下となったことが影響し、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では一時110.48まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きが続いた。
(4)米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.474%から1.542%まで上昇したことが影響し、ドルは主要通貨に対して上昇に転じた。さらに、6月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったものの、前月から上昇となったことも好感され、ドル/円は一時110.88まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで序盤の上昇から一転して下落に転じたこともあり、対円でも終盤にかけて上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
ドル/円は、先週24日に一時111.11まで上昇し、2020年3/26以来の高水準を付けた。その後は、やや上値の重い動きが続き、再び111円台に回復する動きは見られなかった。しかし、底固い動きも続いており、今後は再び111円台を回復する展開となるのか注目される。
本日は米国の主要な経済指標の発表が予定されていないことや、明日から週末の米雇用統計の発表まで重要な米経済指標の発表が続くこともあり、それを控えて限定的な動きが予想されている。その中で、先週末に6営業日ぶりの高水準となるなど、マーケットが注目している米長期金利の指標となる米10年債利回りの動向には注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、111円台の大台回復以降は上値の重い動きが続いており、ここから一段の調整となるのか、再び111円台を回復し、一段の上昇となるのか注目される。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、現在109.839で横ばいが続いているが、明日までは横ばいが続くが、それ以降は週末まで連日上昇となる(30日109.916、1日110.075、2日110.150)。この動きに合わせて上昇となり、111.111を上抜ける展開となれば、一段の上昇も考えられる。その場合の目先の上値目標の計算値は111.870と計算できる。
一方、1日まで横ばいが続く一目均衡表の転換線(110.413)を下抜ける動きとなる場合には、基準線近辺までの下落も予測される。ただ、ここまで基準線近辺でサポートされる展開が続いていることから、下落した場合でもサポートされる可能性も考えられる。しかし、基準線を完全に下抜ける展開となる場合には、一段の下げとなる可能性も考えられることから、基準線近辺の動きにも注目したい。