前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。下落して始まった日経平均株価がプラスに転じる動きとなったことや、米長期金利の上昇も加わり、ドル/円は一時111.11まで上昇し、前日の海外市場で付けた2020年3/26以来の高値となった111.10を上回った。ただ、上昇一服後は日経平均株価が一時マイナス圏に下落したこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となるなど上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を上回る結果となったことや、米長期金利の低下が影響し、ドル/円は一時110.69まで下落した。その後、バイデン大統領が超党派の上院議員らと約1.2兆ドル規模のインフラ投資計画を合意したと表明したことを受けて、米主要株価指数が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、バイデン米大統領が超党派の上院議員らとインフラ投資計画を合意したと表明したことを好感し、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、一時前日比358ドル高まで上昇した。終盤まで高値圏を維持し、322.58ドル高(+0.95%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、97.98ポイント高(+0.69%)で終了し、4営業日続伸、3日連続で史上最高値を更新した。なお、S&P500も取引時間中と終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から前日比100円超下落した日経平均株価上昇に転じ、プラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は一時前日の欧州時間に付けた昨年3/26以来の高値の111.10を上回り、111.11まで上昇した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなったものの、ドル/円は111.00を挟んだ動きが続いた。その後、プラス圏で推移していた日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
(3)欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米株価先物が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想を上回る結果となり、雇用回復の足踏みが示されたことや、米長期金利指標となる米10年債利回りが欧州時間序盤の1.503%から1.475%まで低下したことが影響し、ドル/円は一時110.69まで下落した。一方、クロス円もドル/円に連れ安となった。
(4)バイデン大統領が超党派の上院議員らと約1.2兆ドル規模のインフラ投資計画を合意したと表明したことを受けて、米主要株価指数が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。一方、メキシコ中銀が予想外の利上げを決定したことを受けてメキシコ・ペソが上昇、対ドルで6/11以来、対円では一時2020年2/28以来の高値を付けた。
本日のトピックス
昨日、ドル/円は111円台を維持できるかどうか注目されたが、維持できなかった。本日の東京時間では、一時110.98まで上昇したものの、再び111円台乗せる展開には至っていない。ただ、底固い動きが続いていることもあり、引き続きレンジ内の動きも予想されている。今後の相場の方向性を見極める上で、再び111円台乗せとなるのか、または前日の安値である110.69を下抜ける展開となるのか注目したい。
米国市場では、5月の個人所得・支出統計、6月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、追加経済対策に伴う直接給付で押し上げられた反動で所得・支出は低下が予想されている。一方、インフレ率の上昇期待が後退していることもあり、消費者のマインドの変化が注目されている。また、本日も米当局者の発言が予定されており、発言の内容にも注目したい。
6/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.4% | 0.5% |
前回は市場予想と一致したものの、追加の経済対策における直接給付で押し上げられた3月の結果から伸び幅が縮小した。一方、個人所得も前月比で過去最大のマイナス幅となった。今回は、個人支出が伸び幅の低下、個人所得がマイナス幅の縮小が予定されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
6月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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86.5 | 86.4 |
前回の速報値は、市場予想を小幅に下回る結果となったものの、3ヵ月ぶりの低水準となった5月の結果からは改善した。10年ぶりの高水準となった1年先のインフレ期待がやや後退したことが影響した。今回の確報では小幅上方修正が予想されており、前月からの改善が示されると見られている。 |