前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時110.81まで上昇し、4/1以来の高値を付けた。一方、オーストラリアの雇用統計が良好な結果となり、豪ドルは米ドルや円に対して上昇したものの、一時的な上昇に留まり、その後は上値の重い動きが続いた。その後は、一方ドルはFOMCの結果を受けて上昇した米長期金利が一服したこともあり、ドルは上値の重い動きが続いた。そのほか欧州通貨はECB専務理事によるPEPPの終了議論は時期尚早との発言の影響や欧州市場では、主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、欧州通貨はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことに加え、米国債利回りの低下も加わり、ドルは対円で一時110.17まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ダウ平均株価が前日比400ドル超下落したことや、コモディティー価格の低下が影響して、ドルや円に対して軟調な動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことや、前日のFOMCで利上げが前倒しされたことが引き続き影響し、ダウ平均株価は序盤に前日比407ドル安まで下落した。その後、ダウ平均は終盤にかけて下げ幅を縮小し、210.22ドル安(-0.62%)で終了し、4営業日続落となった。一方、金利動向に敏感に反応するナスダックは、米長期金利の低下が続いたことを受けて、121.67ポイント高(+0.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な動きが一服し、序盤のドル/円は序盤から小動きの展開で始まった。FOMCが終了したことで材料出尽くし感もあり、クロス円も限定的な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比415円安まで下落したこともクロス円の圧迫要因となった。一方、5月のオーストラリアの雇用統計では、就業者数が市場予想を大幅に上回る結果となったことから、豪ドルは一時主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したものの、ドル円・クロス円はレンジ内の動きが続いた。ドル/円は上下22銭と狭いレンジ内の動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことや、ECB専務理事によるPEPPの終了議論は時期尚早との発言の影響など前日のFOMCとの対照的な緩和観測の後退から、欧州通貨はドルや円に対して上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、約1ヵ月ぶりの高水準まで増加したこともあり、ドルは対円で軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.573%から1.470%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時110.17まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ダウ平均株価が一時前日比400ドル超下落したことや、金価格の大幅下落をはじめ資源価格の低下などリフレトレードの後退が影響して、ドルや円に対して軟調な動きとなった。ユーロは対ドルで4/13以来、対円では6/17以来の安値、ポンドは対ドルで5/7以来、対円では5/10以来の安値まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、日銀金融政策決定会合後の夕方に黒田総裁の定例会見が予定されているが、目新しい発言などはなく、発言を受けたマーケットの反応は限定的と見られている。一方、欧米市場では、主要な経済指標の発表がないことや、FOMCなどのイベントが終了していること、週末であることから、限定的な動きが予想されている。ただ、その中で、ミネアポリス連銀総裁がFRBの政策や米経済について講演する予定となっていることから、発言の内容が注目される。