前営業日トピックス
東京市場では、米FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まり、方向感に乏しい展開が続いた。その中で、仲値公示にかけては実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなる場面もあった。上昇一服後は再び上値の重い動きとなったが、東京時間のドル/円は上下10銭の狭いレンジ内の動きとなった。欧州時間では、米長期金利の低下もあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。注目のFOMCでは、予想通り金利や緩和策の据え置きが決定されたが、FOMCメンバーによる予想で金利見通しが引き上げられたことから、早期の緩和縮小観測が広がり、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は一時110.70まで上昇し、4/5以来の高値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
米株式市場では、FOMCの結果発表を控えて、主要株価指数は序盤から小動きの展開が続いた。そして、FOMCメンバーによる金利見通し(ドットチャート)が引き上げられたことから、緩和策の縮小観測が広がり、ダウ平均株価が一時前日比382ドル安まで下落するなど、主要株価指数は軒並み下げ幅を拡大した。さらに、米長期金利が大幅上昇したことも圧迫要因となった。その後、下げ幅を縮小したものの、ダウ平均株価は265.66ドル安(-0.77%)で終了した。一方、ナスダックは33.18ポイント安(-0.24%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から小動きの展開となった。その後、仲値公示にかけては実需のドル買い・円売りが観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時110.14まで上昇した。ただ、前日の米国市場の高値である110.16には届かず、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(2)序盤から軟調な動きとなった日経平均株価が、午後に入り下げ幅を拡大し、177円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、東京市場でドル/円は、上下10銭と狭いレンジ内の動きとなった。その後の欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きとなり、クロス円も上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まっていたことから、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。序盤に発表された米住宅着工件数は、2ヵ月ぶりのプラスとなったものの、反応は限定的だった。特に、ドル/円は上下20銭未満の狭いレンジ内の動きとなった。
(4)注目のFOMCでは、予想通り金利や緩和策の据え置きが決定された。その一方、FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では、2022年までの利上げ予想が7名(3月時点4名)、2023年までの利上げ予想が13名(7名)と金利見通しが引き上げられたことを受けて、早期の緩和策の縮小観測が広がり、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.483%から1.589%まで上昇し、6/4以来の高水準まで上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は一時110.70まで上昇し、4/5以来の高値を付けた。一方、ユーロが対ドルで5/6以来の安値まで下落するなど、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで大幅下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
FOMCメンバーによる金利見通しが引き上げられたことを受けて、早期の緩和策の縮小観測が広がり、ドルは主要通貨に対して上昇した。本日の東京市場では海外市場の堅調な動きを引き継ぎ、ドル/円は一時110.82まで上昇したものの、一服感からその後はやや上値の重い動きとなっている。
今後、ドルは底固い動きが続くと見られているが、金融政策のポイントとなることも多い8月のジャクソンホール・シンポジウムや、次のメンバー予想が出る9月のFOMCまでは、経済指標の改善が進むのか注目されるだろう。
本日は、新規失業保険申請件数、6月のフィラデルフィア連銀景況指数の発表が予定されており、良好な結果となれば、前日のドル買いの流れを引き継ぐ展開となる可能性も考えられることから、結果に注目したい。
6/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(6/12までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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36.0万件 | 37.6万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、6週連続の減少となり、2020年3月213日の週以来の低水準まで改善した。ワクチン接種が拡大したことが影響し、特に旅行やレジャー関連の回復が続いていることが示された。一方、労働市場が感染拡大前の水準に回復するのは時間がかかるとの見方もある。今回は、前週から更に減少が予想されており、改善が続いていることが示されると見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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31.0 | 31.5 |
前回は市場予想を下回り、1973年4月以来の高水準となった4月の結果から大幅に低下した。新規受注の低下に加え、雇用者数が大幅に低下したことが影響した。今回は、小幅な低下が予想されており、前回11.5ポイント低下した雇用者数の改善が見られるのか注目したい。 |