前営業日トピックス
東京市場では、ドルが序盤から軟調な動きとなり、一時109.20まで下落したものの、前日の海外市場の安値109.19には届かなかった。しかし、実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は仲値公示にかけて堅調な動きとなった。ただ、仲値通過後は上昇も一服となり、上値の重い動きとなった。その後は、欧州の主要株価指数や米株価先物が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、ドルは欧州通貨などに対して上昇したこともあり、対円でも109.50台まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された4月の米貿易収支で赤字額が縮小したものの、マーケットの反応は限定的だった。先週末の米雇用統計以降、米長期金利の低下が続いていることがドルの上値を圧迫しており、一時109.28まで下落した。ただ、アジア時間に付けた安値の109.20には届かなかった。一方、クロス円もドル/円の下げに連れ安となったものの、その後は対ドルで上昇したこともあり、終盤まで底固い動きとなった。
米株式市場では、ポジション調整の売りが先行し、主要株価指数は序盤からやや上値の重い動きとなった。しかし、米長期金利の低下傾向が続いていることが株価の下支え要因となった。ただ、5月の米消費者物価数の発表を10日に控えて様子見ムードが強まっているとの指摘があるなど、値動きは限定的だった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比177ドル安まで下落した。その後、下げ幅を縮小し、35ドル高まで上昇したものの、結局30.42ドル安(-0.09%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、43.19ポイント高(-0.31%)と3営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、クロス円は海外市場の堅調な動きが一服し、やや上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時109.20まで下落したものの、前日の海外市場で付けた5/27以来の安値の109.19には届かなかった。その後、実需のドル買いが観測され、仲値公示にかけてドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は109.44まで上昇した。
(2)ドル/円は、仲値通過後にやや上値の重い動きとなり、一方のクロス円は序盤に前日比121円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、午後には前日比121円安まで下落したこともが影響し、上値の重い動きとなった。その後、欧州時間では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米株価先物が底固い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったこともあり、対円で109.56まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された4月の米貿易収支で赤字額が縮小したものの、マーケットの反応は限定的だった。背景には、マーケットが注目する米国の量的緩和の縮小時期を見極める上で重要とされる5月の米消費者物価指数の発表を10日に控えて様子見ムードが高まっていることが影響していると見られている。その中で、先週末の米雇用統計以降、米長期金利の低下が続いていることを背景にドル売りが先行し、ドル/円は一時109.27まで下落したものの、アジア時間に付けた109.20には届かなかった。一方、クロス円もドル/円の下げに連れ安となった。
(4)その後は下げが一服したことや、マイナス圏まで下落していた米主要株価指数が軒並みプラス圏まで上昇する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、5月の米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まる中、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、翌日にマーケットが注目する米国の量的緩和の縮小時期を見極める上で重要とされる5月の米消費者物価指数の発表が予定されていることから様子見ムードが強まり、全般的に限定的な動きが予想されている。
その中で、カナダ中銀の金融政策発表が予定されており、政策金利は0.25%で据え置かれるとの予想がコンセンサスとなっている。ただ、世界的に早く金融緩和策の規模縮小をしているが、先月カナダ中銀総裁は利上げを急がないと示唆している。ただ、先週末の5月のカナダ雇用統計では就業者数が2ヵ月連続で減少したほか、フルタイム雇用も2ヵ月連続で減少しており、こうした影響が声明に影響を及ぼす可能性もあり注目されます。