前営業日トピックス
東京市場では、週末の実需のドル買いが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドルは堅調な動きとなり、ドル/円は109.96まで上昇した。しかし、110円台に近づくに連れて上値の重い動きとなった。その後は、日経平均株価が堅調な動きが続いたことや、米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに欧州市場では、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標で、インフレの高進などを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル円は一時110.20まで上昇し、4/6以来の高値を付けた。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は109.74まで下落した。一方、序盤以降対ドルで軟調な動きとなったユーロやポンドは、対円でも上値の重い動きとなっていたが、ドルの下落を受けて、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、米国の4月の個人消費支出が2ヵ月連続のプラスとなったことに加え、バイデン米大統領の予算教書で発表する6兆ドル規模の予算案に対する期待感を背景に、ダウ平均株価は一時前日比166ドル高まで上昇するなど、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも好感された。その後は3連休を控えたポジション調整などもあり、終盤には上げ幅を縮小した。ダウ平均は、64.80高(+0.19%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から前日比360円超上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、実需のドル買いも観測され、前日の高値である109.92を上抜けて、一時109.96まで上昇した。ただ、110円台手前では値頃感のドル売りも観測されて上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価は上げ幅を拡大し、一時前日比645円高まで上昇したことや、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米長期金利が高水準を維持したことから、ドルは欧州通貨や資源国通貨など主要通貨に対して上昇、対円でも堅調な動きとなった。米国市場では、序盤に発表された個人所得・支出統計で、PCEコア・デフレーターが1992年7月以来の高水準となったことを受けてドル買いが優勢となり、ドル/円は一時110.20まで上昇し、4/6以来の110円台を回復した。
(4)110円台では値頃感のドル売りも観測され、上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.619%から1.575%まで低下したことも加わり、ドルは主要通貨に対して下落する中、ドル/円は109.74まで反落した。一方、序盤対ドルで軟調な動きとなったユーロやポンドは、対円でも上値の重い動きとなっていたが、米長期金利の低下を背景にドルの下落を受けて対円でも上昇に転じるなど、堅調な動きとなった。なお、バイデン米大統領が6兆ドル規模の予算案を発表したが、すでに前日に報道されていたこともあり、マーケットの反応は限定的だった。
本日のトピックス
ドル/円は、先週末に一時110円台を回復したものの、その後は値頃感のドル売りが観測されるなど、上値の重い動きとなり、週明けの東京市場でも序盤はやや上値の重い動きとなっている。米国の6兆ドル規模の大型の予算案や、米景気回復期待の高まりなどを背景に、ドルは引き続き底固い動きとなるのか注目される。
本日の海外市場では、英国市場がスプリング・バンク・ホリデー、米国市場がメモリアルデーで休場となることから市場参加者も少なく、限定的な動きも予想される。その中で、トルコのGDPやドイツの消費者物価指数の発表が予定されており、結果が注目される。