前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円は序盤に一時108.99まで上昇したものの109円台には到達できず、ドル買い一巡後は上値の重い動きとなった。一方、序盤に250円超上昇した日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことが影響し、クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きが続いた。欧州市場では、米国債利回りが持ち直したことから、ドルは対円で堅調な動きが見られたものの、東京時間の高値には届かなかった。
米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。その後、米主要株価指数が堅調な動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きも意識され、ドルと円が売られる動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことから、ドルは対円で108.70まで下落した。その後は、米主要株価指数や米長期金利が小動きとなったことから、ドル円・クロス円も狭いレンジ内の動きが続いた。
米株式市場では、米景気回復に対する期待感を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、下落が続いた暗号資産相場が反発したことも投資家心理を改善させ、ダウ平均株価は終盤に一時前週末比264ドル高まで上昇した。引けにかけたやや上げ幅を縮小したものの、ダウ平均株価は186.14高(+0.54%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の低下を受けて上昇幅を拡大し、190.18ポイント高(+1.41%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。先週末にビットコインの下落などを背景に、投資家のリスク回避の動きが強まったことが影響し、新規材料に乏しい中でやや様子見ムードが強まった。ドル円は、序盤に108.99まで上昇したものの、前週末の海外市場で付けた高値の109.00まで到達できなかった。
(2)序盤に前週末比266円高まで上昇した日経平均株価が一時15円高まで上げ幅を縮小する動きとなったことや、米長期金利が時間外取引で低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、ドル/円は108.70まで下落した。
(3)欧州時間では、新規材料に乏しい中で低下していた米長期金利が持ち直したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は108.98まで上昇したものの、東京時間に付けた108.99には届かなかった。
(4)米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。その後、米景気回復に対する期待感を背景に、米主要株価指数が堅調な動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きも意識され、ドルと円が売られた。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.619%から1.594%まで低下したことから、ドルは対円で序盤に付けた108.94から108.70まで下落した。また、主要6通貨に対するドル指数は、1/7以来の安値まで低下した。
(5)下げ一服後は、やや値を戻す動きが見られたものの、米主要株価指数や米長期金利が終盤にかけて小動きの展開が続いたこともあり、ドル円・クロス円も狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
欧州時間では、ドイツの第1四半期GDP(確報)と5月のIFO企業景況感指数の発表が予定されており、比較的敏感に反応するケースが多い経済指標であることから、ユーロ圏経済を見る上で注目されている。
一方、米国時間では、先週のFOMCの議事要旨を受けて、量的緩和縮小の議論の開始が時期に関する思惑が交錯する展開が予想される。その中で、先週末の5月の米製造業・非製造業PMI速報値が予想を上回る結果となったことで、米景気の先行き期待も高まり、ドル買いとなったこともあり、本日発表される米国の4月の新築住宅販売件数、5月の消費者信頼感指数、5月のリッチモンド連銀製造業指数の結果が注目される。良好な結果となるようなら、量的緩和縮小に関する議論の早期開始との思惑が高まる可能性もあるだろう。
5/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
4月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
|
95.0万件 | 102.1万件 |
前回は市場予想を上回る結果となり2006年以来の高水準となった。2月の寒波の影響が一時的だったことが示された。コロナ感染が収束しない中で、郊外や広いスペースの住宅に対する需要が根強いことが示された。今回は、前回から減少が予想されているが、依然として高水準が維持されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
|
118.9 | 121.7 |
前回は市場予想を上回る結果となり、昨年2月以来の高水準となり、コロナ感染拡大前の水準近辺まで改善した。消費者が米景気と労働市場に対する楽観的な見方を強めていることが示された。現況指数は1年ぶりの高水準、期待指数は2019年7月以来の高水準に改善した。今回は、前回からの低下が予想されているが、大幅な低下とはならないと見られており、予想通りの低下でも反応は限定的と見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
|
18 | 17 |
前回は市場予想を下回る結果となったものの、3月の結果から横ばいとなり、引き続き高水準を維持した。今回は、前回から上昇が予想されており、予想通りの結果なら、昨年12月以来の高水準となり、堅調さが維持されると見られている。 |