前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。しかし、値頃感の買い戻しに加え、実需のドル買いも観測され、仲値公示近辺にかけてドル/円は堅調な動きとなった。一方、日経平均株価が堅調な展開で始まり、一時前日比300円超上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。しかし、その後は日経平均株価が上げ幅をやや縮小したことや、米長期金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、ドイツの製造業のPMIが冴えない結果となったことから、欧州通貨はドルや円に対して上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された5月の米製造業・非製造業PMIがともに市予想を上回ったことを好感して、ドルは主要通貨に対して上昇となった。さらに、低下していた米国債利回りが上昇に転じたことも加わり、ドル/円は109.00まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上値の重い動きとなったことや、ナスダック、S&P500がマイナス圏まで下落する展開となったことも加わり、対円でも終盤まで上値の重い動きとが続いた。
米株式市場では、5月の米製造業・非製造業PMIが市場予想を上回ったことを受けて、ダウ平均株価が序盤に前日比331ドル高まで上昇するなど、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、その後上げ幅を縮小したものの、123.69ドル高(+0.36%)で終了した。一方、終盤にかけてIT関連銘柄を中心に売りが出たことから、ハイテク株中心のナスダックはマイナス圏まで下落し、64.75ポイント安(-0.48%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比313円高まで上昇したことから、ドルと円が売られる動きとなった。週末の実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、仲値公示近辺にかけてドル/円は底固い動きとなった。
(2)その後、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、時間外取引で低下したことから、ドル/円は106.61まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで底固い動きとなったものの、ドル/円の下落に連れて対円では上値の重い動きとなった。さらに、ドイツのPMI(速報)が冴えない結果となったことから、欧州通貨やドルや円に対して上値の重い動きとなった。
(3)米長期金利が上昇したことから、米国市場序盤にかけてドルは堅調な動きとなったものの、その後米長期金利が下落に転じた動きにドルは敏感に反応し、対円でも上値の重い動きとなった。
(4)5月の米製造業・非製造業PMIがともに市場予想を上回ったことを好感して、ドルは主要通貨に対して上昇となった。さらに、低下していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じたことも加わり、ドル/円は発表前の108.68から109.00まで上昇した。さらに、ダラス連銀総裁、フィラデルフィア連銀総裁が量的緩和縮小に向けた議論の開始は早い方が良いとの考えを示したことも、米長期金利の上昇とともにドルの押し上げに寄与した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上値の重い動きとなったことや、序盤堅調な動きとなっていた米主要株価指数が上げ幅を縮小し、ナスダック、S&P500がマイナス圏まで下落する展開となったこともあり、対円でも終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、欧米の主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されている。その中で、最近は米金利動向に敏感に反応する動きが続いていることから、引き続き主要株価指数と米金利動向に注目したい。さらに、このところビットコインも乱高下しており、先週にはビットコインの急落でリスク回避の円買いが見られたこともあり、こちらの動きにも注目したい。