前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が大きく下落したものの、その後は下げ幅を縮小する動きとなり、円とドルが売られる動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したこともあり、ドルは対円で108円台後半で下げ止まりました。。しかし、上昇一服後ドルは上値の重い動きとなり、さらに日経平均株価が再び下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その中で、ユーロは対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも連日で直近の高値を更新。欧州市場では、欧州主要株価指数、米株価先物が軟調な動きとなったことからドルや円が買われ、欧州通貨や資源国通貨に対してドルが上昇となり、ドルは対円でも底堅い値動きとなった。
米国市場では、ビッドコインなど暗号資産の急落を受けて米主要株価指数が序盤から大幅下落となったことで、安全資産とされる米債が買われ、米長期金利が低下する中、投資家のリスク回避の円買いが優勢となった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は108.57まで下落した。その後、米主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことからリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、FOMCの議事要旨で、一部メンバーがテーパリング協議開始と予想していたことが明らかとなり、上昇に転じていた米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は109.30まで上昇した。
米株式市場では、米景気回復に伴うインフレへの懸念が引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、ビットコインが大幅な下落となったことで投資家のリスク回避の動きが強まり、ダウ平均株価は一時前日比586ドル安まで下落するなど、主要株価指数は軒並み下げ幅を拡大した。下げ一服後は下げ幅を縮小する動きとなったが、主要3指数は3営業日続落となった。ダウ平均株価は164.62ドル安(-0.48%)、ナスダックは3.90ポイント安(-0.03%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時108.83まで下落し、前日の海外市場で付けた安値に面合わせとなった。日経平均株価は下落して始まり、一時前日比563円安まで下落したものの、その後191円安まで下げ幅を縮小したことや、米長期金利が上昇したことも加わり、仲値公示近辺にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後、ドル/円は109円台で上値の重い動きとなり、さらに米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は上値の重い動きとなった。一方、午後に入り再び日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、クロス円も上値の重い動きが続いた。ただ、ユーロは対ドルで1/8以来の高値を付けたこともあり、対円では前日の高値を上抜けて、2018年4/24以来の高値を更新した。欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み下落したことからドルと円が買われる動きとなり、さらにドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも108.33まで上昇した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことで、投資家のリスク回避の円買いが優勢となった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.665%から1.618%まで低下したことも加わり、ドル/円は直前の欧州時間に付けた高値の109.33から108.57まで下落した。一方、クロス円はドル円の下げも影響して軟調な動きとなった。
(4)米主要株価指数が引けにかけて下げ幅を縮小する動きとなったことからリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、FOMCの議事要旨で、一部メンバーが今後の会合でテーパリング協議開始と予想していたことが明らかとなり、上昇に転じていた米10年債利回りが一段の上昇となったことを受けて、ドル/円は109.30まで上昇した。ただ、欧州時間に付けた高値の109.33には届かなかった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、米新規失業保険申請件数、5月のフィラデルフィア連銀景況指数の発表が予定されており、前者は小幅改善が、後者は前月の大幅な改善の反動で低下が予想されているが、予想外の結果や予想との乖離がなければ反応は限定的と見られている。
ドル/円は、昨日一時5/11以来の安値を更新したものの、5営業日ぶりの陽線引けとなった。ただ、引き続きドルの地合いの弱さも指摘されており、ここから堅調な動きとなるのかどうかが注目されている。再び109円台を割り込み、108.90を下抜ける場合(終値ベースで)には、一段の下げとなる可能性も考えられる。
5/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(5/15までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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45.5万件 | 47.3万件 |
前回は予想以上の減少となり、昨年3/13までの週以来の低水準まで改善した。企業の活動制限が緩和されたことが雇用増加につながっていることが示された。今回も小幅ながら減少が予想されており、緩やかな改善が続くと見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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41.5 | 50.2 |
前回は市場予想を大幅に上回る結果となり、1973年4月以来の高水準となった。新規受注が低下したものの、出荷の上昇や雇用が過去最高を更新したことが影響した。今回は、前月からの低下が予想されているが、予想通りの結果でも依然として高水準が維持されることから、注目したい。 |