前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比650円超上昇したことから、投資家のリスク選好の動きからドルと円を売る動きが優勢となった。一方、ドルは序盤に対円で堅調な動きとなったものの、その後米国債利回りが低下したことから、対円で上値の重い動きが続いた。午後も日経平均株価が高値圏で推移したこともあり、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きが続いた。特に、ポンドは対円では2018年2/5以来の高値を更新した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想以上に悪化したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドルは対円で108.83まで下落した。一方、上昇して始まったダウ平均株価が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、クロス円は軟調な動きが続いた。その後、低下していた米10年債利回りが上昇となったことを受けて、ドルは対円で109.02まで上昇したものの、109.00円近辺では上値が重く、終盤にかけてドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米国の小売り大手など個人消費関連企業の四半期決算が好調だったことから、個人消費の拡大を好感した買いが先行した。ただ、一方で、インフレ率の上昇懸念も強まっており、その後主要株価指数はマイナス圏まで下落、終盤にかけて下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比81ドル高まで上昇したものの、終盤には一時283ドル安まで下落、安値圏を維持したまま267.13ドル安(-0.78%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、75.41ポイント安(-0.56%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比656円高まで上昇したことから投資家のリスク選好の動きが意識され、円やドルが売られる動きとなった。ドルは対円で序盤に109.28まで上昇したものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で低下したことを受けて、その後109.10まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が高値圏で底固い動きが続いたこともあり、クロス円は堅調な動きが続いた。特に、英国でロックダウン措置が緩和されたことが好感され、引き続きドルや円に対して堅調な動きが続き、英ポンは対ドルで2/24以来、対円では一時154.83円まで上昇し、2018年2/2以来の高値を更新した。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された4月の米住宅着工件数が予想以上に減少したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことも加わり、対円で108.83まで下落した。一方、ユーロやポンドは対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。ユーロは対ドルで1.2234まで上昇し、2/25以来の高値を更新した。その後下で、上昇して始まったダウ平均株価が下落に転じるなど、主要株価指数が軒並み終盤にかけて下げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、クロス円は軟調な動きが続いた。
(4)低下していた米10年債利回りが上昇となり、2日ぶりの高水準まで上昇したことを受けて、ドルは対円で109.02まで上昇した。ただ、109.00円近辺では上値の重い動きとなり、さらに終盤にかけて再び米10年債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。対ドルで堅調な動きが続いたこともあり、ユーロは対円でも堅調な動きが続き、一時133.19まで上昇し、2018年4/26以来の高値を更新した。
本日のトピックス
本日は、米国の主要な経済指標の発表がないものの、4/27-28分のFOMC議事要旨が公表される予定であることから、内容が注目されている。雇用者数の伸び幅が予想外の低下となった米雇用統計発表前の議論であったことから、金融緩和策の縮小に関する協議があったのか、関連する内容が注目されている。また、米当局者の発言も予定されおり、発言の内容にも注目したい。
さらに、昨日の海外市場でも米長期金利の動向にドルが敏感に反応する展開が続いていることから、引き続き米長期金利の動きにも注目したい。