前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の株高を背景に日経平均株価が序盤から450円超上昇したことや、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、仲値公示近辺にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大して690円超上昇したことから、クロス円は堅調な動きが続いた。一方、ドルは時間外取引で米長期金利が低下となり、日米の金利差の縮小観測からドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は109.24まで下落した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がいずれも冴えない結果が続いたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では一時109.19まで下落した。一方、米主要株価指数が米景気回復期待を背景に、序盤から堅調な動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。その後、米長期金利がやや持ち直したことから、ドルは対円で109.45まで上昇したが、終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、経済活動の再開が進むとの期待が高まっていることからを背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。 ダウ平均株価は、終盤まで堅調な動きが続き、一時前日比432ドル高まで上昇した。終盤にはやや上げ幅を縮小し、360.68ドル高(+1.06%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、304.99ポイント高(2.32%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、450円超上昇したことや、実質的な五・十日に当たり、実需の買い・円売りが観測されてことも、ドル円・クロス円の押し上げ要因となった。ドル/円は一時109.65まで上昇したが、前日の高値の109.78には届かなかった。
(2)午後には、日経平均株価が上げ幅を拡大して691円高まで上昇したことから、投資家のリスク選好の動きもあり、クロス円は堅調な動きとなった。一方、米長期金利の指標となる米10年債利回りは、時間外取引で低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では109.24まで下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された4月米小売売上高が市場予想を下回る結果となったことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.645%から1.623%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では一時109.19まで下落した。一方、米主要株価指数が米景気回復期待を背景に、序盤から堅調な動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。さらに、その後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことも対ドルの押し上げ要因となった。米10年債利回りが1.648%まで持ち直したことから、ドルは対円で109.45まで上昇したが、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日の欧州時間では、主要な経済指標の発表がないものの、米国時間では5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、5月のNAHB住宅市場指数の発表が予定されている。米雇用統計や先週末の小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数が冴えない結果となったこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなっており、本日の結果には注目したい。さらに、米金融政策の行方に対する思惑が交錯していることもあり、米長期金利の動きにドルが敏感に反応する展開が続いていることから、米金利動向にも注目したい。
5/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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23.9 | 26.3 |
前回は市場予想を上回り、2017年11月以来の高水準となった。仕入価格や新規受注、出荷の上昇が押し上げ要因となり、景気の判断基準となるゼロを10ヵ月連続で上回り、製造業の好調さが示された。今回は、前回から低下が予想されているものの、引き続き高水準が維持されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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83 | 83 |
前回は市場予想と一致し、8月以来の低水準となった3月の結果から上昇した。材料費の上昇や、ローン金利の上昇があるものの、需要の堅調さが続いていることが下支え要因となった。現況指数が上昇したものの、見通し指数が低下したことから、先行きに対する不透明感がある。今回は、横ばいが予想されており、見通し指数の改善があるのかにも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲を一時上抜けたものの、再び雲の中に入り込み、やや軟調な動きとなっている。ここから軟調な動きが続くのか、再び雲の上抜けを試す展開となるのか注目される。
現状の動きを110.958からの下げ途中の小休止の持ち合いと見ることもできる。その場合は、現在5波動目であることから、下限ラインを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。その場合の下値目標の計算値は、106.301と計算できる。
一方、保ち合い上限ラインを上抜ける場合には、同時に雲上限を上抜けることにもなり、一段の上昇となる可能性も考えられる。
気まぐれ投資コラム
円ショートほぼ変わらず、次の材料待ちか?
CFTC(米商品先物取引委員会)が発表したIMM通貨先物の投機部門の取組(5/11までの週)では、ドルの主要6通貨に対する売り越し額は14.3億ドル(前週119.5億ドル)と増加した。
対ドルでのポジションでは、円は-41728枚(前週-41492枚)とショート(売り)ポジション、ユーロは93907枚(84829枚)、ポンドは28176枚(19848枚)、カナダドル38629枚(25947枚)豪ドルは2416枚(1476枚)とロング(買い)ポジション
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成