前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が軟調な動きとなったものの、米長期金利の上昇や、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったこともあり、対円でも底固い動きとなった。その後、日銀の金融政策決定会合の結果発表や日銀総裁の会見があったものの、マーケットの反応は限定的だった。
米国市場では、米国債利回りの上昇が続いたことから、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢なり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は終盤に4/19以来の高値を付け、ユーロ/円も131.49まで上昇し、2018年10/4以来の高値を付けた。さらに、序盤に発表された4月の米消費者信頼感指数が1年2ヵ月ぶりの高水準となったこともドルの押し上げに寄与した。
米株式市場では、米長期金利の上昇を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、4月の消費者信頼感指数が昨年2月以来、1年2ヵ月ぶりの高水準となったことが好感されて下値は限定的となった。その中で、FOMCの結果発表を翌日に控えて様子見ムードも強く、全般的に小動きの展開が続いた。ダウ平均株価は終盤にプラス圏まで値を戻し、3.36ドル高(+0.01%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、引け後のIT大手の決算発表を控えてポジション調整の動きに加え、米長期金利の上昇も影響し、48.56ポイント安(-0.34%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。実需筋によるドル買い・円売り買いが観測されたことに加え、時間外取引で米10年債利回りが上昇したこと、さらにFOMCの結果発表を控えたポジション調整の動きもあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時108.39まで上昇し、クロス円もドル/円に連れ高となった。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなり、前日比136円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。日銀金融政策決定会合の結果発表では、現行政策の継続を決定したものの、予想通りの結果だったこともあり、マーケットの反応は限定的だった。その後、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、FOMCの結果発表を翌日に控えて様子見ムードが強まっていたものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.568%から1.627%まで上昇し、1週間ぶりの高水準となったことで、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢なり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、4月の米消費者信頼感指数が昨年2月以来1年2ヵ月ぶりの高水準となったこともドルの押し上げに寄与した。ドル/円は、終盤に108.77まで上昇し4/19以来の高値を付け、ユーロ/円も131.49まで上昇し、2018年10/4以来の高値を付けた。
本日のトピックス
本日の海外市場では、米国のFOMCの結果発表が予定されており、様子見ムードが強まることから、結果発表までは限定的な動きが続く可能性も考えられる。マーケットでは、政策などの変更はないとの見方が大勢だが、量的緩和の縮小時期に関する言及があるのかどうか、声明やパウエルFRB議長の会見での発言が注目されており、それを受けてドルが敏感に反応する可能性も考えられる。
4/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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翌3:00 | 米国 |
FOMC 政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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0.00%-0.25% | 0.00%-0.25% |
前回の声明では、経済活動や雇用の複数指標がこのところ上向いているとの見方を示した。今回は、FF金利の誘導目標など主要な政策の変更は予想されていないものの、一部では年内の量的緩和の縮小が示唆されるとの思惑もあり、声明やその後のFRB議長の会見での発言に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲を上抜け、三役好転(基準線・転換線のクロス、遅行スパンの価格帯上抜け、雲を上抜け)の強気シグナルとなった。ただ、上昇加速とはなっておらず、やや上値の重い動きとなっている。ここまで約1ヵ月間上昇が続いたこともあり、一旦調整の動きも考えられる。
オシレーターのMACDを見ると、両線の乖離幅が縮小しており、今後両線がクロスとなれば目先の軟調を示唆する形状となる。その場合には、雲上限ラインで底固い動きとなり、雲に沿った動きが予想される。そして、雲を割り込む動きとならなければ、調整後は再び堅調な動きとなる可能性が考えられる。
気まぐれ投資コラム
米FOMC、年内の量的緩和の縮小が示唆されるか?
新型コロナウイルスのワクチン接種の進展、最近の米経済指標の改善、さらにインフレ率の上昇などもあり、米経済に対する楽観的な見方も出ている。前回のFOMCの声明では、経済活動や雇用関連の複数の指標がこのところ上向いているとの見方を示したこともあり、今回のFOMCでは主要な政策の変更は予想されていないものの、一部では年内の量的緩和の縮小が示唆されるとの思惑もある。そのため、FOMCの声明が注目されており、さらにパウエルFRB議長の会見で、緩和的な金融政策の変更時期をどう見ているのか、関連する発言が注目されている。
ドル/円は、1月から続いた上昇が一服し、4月に入り軟調な動きが続いたが、ここにきてドル買い戻しの動きとなっている。背景には、一部で年内の量的緩和策の縮小が示唆されるとの思惑が高まっているため、ドル弱気と見ている向きの調整的な買い戻しが進んでいるとの見方もある。
年内の量的緩和の縮小を示唆したと受け取られる場合には、ドル買いとなる可能性が考えられ、反対に、量的緩和の縮小に関して言及がなかった場合には、ドル売りに反応する可能性が考えられる。