前営業日トピックス
東京市場では、序盤に下落した日経平均株価が上昇に転じ、午後には前週末比220円超上昇となったことから、クロス円は堅調な動きとなった。一方、時間外取引で米国債利回りが上昇したものの、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたことから、対円でも軟調な動きとなり、一時107.64まで下落した。その後、米国債利回りが上昇したことで日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まったものの、序盤に発表された米3月の耐久財受注が予想ほど改善しなかったことや、上昇していた米国債利回りが低下したことから、ドル/円は序盤の108.16から107.90まで下落し、クロス円も連れ安となった。その後、明日から始まるFOMCで年内の量的緩和の縮小が示唆されるとの思惑もあり、ドル/円は再び108円台まで回復して108.20まで上昇する場面もあった。ただ、引けにかけて、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
米株式市場では、米景気回復への期待感を背景に、ダウ平均株価が序盤に前週末比105ドル高まで上昇するなど、主要株価指数は堅調な動きとなった。その後、バイデン米政権の富裕層への課税強化策に関する大統領の演説の内容を見極めたいとの思惑もあり、ポジション調整の動きが優勢となり、ダウ平均株価は中盤以降マイナス圏で推移した。ダウ平均株価は61.92ドル安(-0.18%)で終了したが、ナスダックは、決算発表を控えた大手ハイテク企業の好決算への期待感を背景に序盤から堅調な動きが続き、121.97ポイント高(+0.87%)で終了し、終値ベースでの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価は序盤に前週比124円安まで下落したものの、その後にプラス圏まで反発し、午後には220円超上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。一方、時間外取引で米10年債利回りが1.556%から1.584%まで上昇したものの、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したこともあり、ドル/円は一時107.65まで下落した。
(2)ドル/円は下げ一服後には底固い動きとなり、107.85まで値を戻し、クロス円も底固い動きとなった。特に、ポンドはドルや円に対して堅調な動きとなった。その後、米10年債利回りが1.596%まで上昇したことからドル買い・円売りが優勢とった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は108.16まで上昇したものの、3月の米耐久財受注が前月比0.5%(予想2.5%)となり、予想ほど改善しなかったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.594%から1.554%まで低下したことから、ドル/円は107.90まで下落し、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円も連れ安となった。
(4)最近の米経済の回復期待の高まりや、インフレ率の上昇もあり、明日から始まるFOMCで年内の量的緩和の縮小が示唆されるとの思惑もあり、ドルは再び108円台まで回復、一時108.20まで上昇した。ただ、引けにかけてはFOMCを控えた様子見ムードなどもあり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
米国市場では、4月のリッチモンド連銀製造業指数、4月の米消費者信頼感指数の発表が予定されており、ともに前月から上昇が予想されており、改善が進んでいることが示されると見られている。一方、バイデン米政権の富裕層への課税強化策に関して、バイデン大統領が演説で内容を説明する予定となっており、これを受けて株価が敏感に反応する可能性も考えられる。為替市場では、本日からFOMCが開催されるが、 量的緩和縮小の思惑もあることから、期待先行でドルが買われる可能性もあるが、28日の結果発表までは様子見ムードが強まると見られている。
4/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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22 | 17 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの上昇となった。引き続き製造業の好調な結果が続いていることが示された。今回は、さらに上昇が予想されており、予想通りなら昨年10月以来の高水準となり、良好な結果が続くと見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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112.0 | 109.7 |
前回は市場予想を大幅に上回り、昨年3月以来の高水準となった。雇用と経済に対する楽観的な見方が強まり、特に期待指数が2019年7月以来の高水準となった。今回は、一段の上昇が予想されており、ワクチン接種が進んでいることもあり、米景気回復への期待感が高まりつつあることが示されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲の中に入り込む場面があったものの、雲上限近辺で底固い動きとなっている。ここから雲上限に沿って底固い動きが続くのか、再び雲の中に入り、軟調な動きとなるのか注目される。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、ここから両線がクロスとなるようなら、堅調な動きを示唆する形状となることから、両線の動きに注目したい。
上値のポイント
(1)108.547(2)108.825(3)109.217
下値のポイント
(1)107.995(2)107.476(3)106.952