前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場で米長期金利が低下したことを受けて、序盤からドル/円は軟調な動きとなり、一時108.61まで下落した。その後、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、値頃感の買い戻しも入り、ドル/円は108.94まで反発した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなり、さらに日経平均株価が序盤から上昇したことも押し上げに寄与した。その後は、日経平均株価がマイナス圏まで下落する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された3月の米住宅着工件数が市場予想を上回ったことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は一時108.89まで上昇した。しかし、その後に発表された4月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想ほど改善しなかったこともあり、ドル/円は108.74まで下落した。一方、ユーロ圏主要国の経済刺激策に対する期待感などもあり、対ドルで一時3/4以来の高値となる1.1994まで上昇した。終盤にかけては、日米首脳会談を見極めたいとの様子見ムードが強まったこともあり、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。
米株式市場では、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることを受けて、米経済の正常化が進むとの期待感を背景に、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、第1四半期の米企業決算が軒並み良好な内容となっていることも押し上げ要因となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比220ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。その後はやや上げ幅を縮小したものの、164.68ドル高で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは13.58ポイント高で終了し、終値ベースで 2/12以来の高値となった。また、S&P500は、ダウと同様に取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。米金利動向に敏感に反応する動きが続いている中で、時間外取引の米10年債利回りが上昇したこと受けて、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となった。ドル/円は、一時108.94まで上昇するなど、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドル/円の上昇を受けて、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価は、序盤に前日比146円高まで上昇したものの、その後はマイナス圏まで下落するなど、終盤まで上値の重い動きが続いた。この動きに、ドル円・クロス円も小動きの展開が続いた。一部では、日米主要会談や記者会見を控えて様子見ムードも強まったとの見方もあった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米住宅着工件数が市場予想を上回り、2006年6月以来14年9ヵ月ぶりの高水準となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.549%から1.595%まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時108.89まで上昇した。ただ、欧州時間に付けたこの日の高値の108.97には届かなかった。
(4)その後に発表された4月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想ほど改善しなかったこともあり、ドル/円は108.74まで下落した。一方、ユーロ圏主要国の経済刺激策に対する期待感などもあり、対ドルで一時3/4以来の高値となる1.1994まで上昇したものの、1.20台の大台を前に失速した。終盤にかけては、日米首脳会談を見極めたいとの様子見ムードが強まったこともあり、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。
本日のトピックス
欧州では、イタリアの経済対策など、ユーロ圏経済の先行きに対する期待感が高まっていることを好感して、ユーロは対ドルで堅調な動きとなっている。ただ、対円では高値圏でやや上値の重い動きが続いており、対ドルで一段の上昇となるようなら、対円でも4/7に付けた2018年10月以来の高値の130.68を上抜ける可能性も期待されている。一方、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いており、主要通貨に対して軟調な動きが続くのか注目される。
本日の米国市場では、主要な米経済指標の発表がなく、新規材料に乏ししことから、ドル円・クロス円はやや限定的な動きも予想されている。ただ、米国の金利動向には敏感に反応する展開が続いていることもあり、米債券市場の動きなどが注目される。さらに、欧米の主要株価指数が史上最高値を更新する動きが見られるなど、株式市場も景気回復期待を背景に、堅調な動きが続いていることもあり、株式市場の動きにも注目したい。