前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比350円超上昇したことや、時間外取引で米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなり、一時109.75まで上昇した。その後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落に転じたこともあり、ドル/円も109.50台まで下落した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は一時109.60まで上昇した。しかし、直後に米国債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、好調となった米30年債入札結果を受けて米長期金利が一段の低下となったことも加わり、ドル/円は終盤に109.03まで下落したが、4/8に付けた109.00が意識され、安値圏では底固い動きとなった。
米株式市場では、米保健当局が米ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチンの一時中止を勧告したことを受けて、ワクチン普及による米経済の回復期待が後退したことから、ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなり、一時前日比199ドル安まで下落した。ダウは、その後下げ幅を縮小したものの、68.13ドル安(-0.20%)で終了。一方、米長期金利の低下を好感して、金利動向に比較的敏感なナスダックは146.10ポイント高(+1.05%)となり、2/16以来の高値で終了した。また、S&P500は取引時間中、終値ベースの最高値を2営業日ぶりに更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことや、米10年債利回りが上昇したことも加わり、ドルは対円でも堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が前日比358円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時109.75まで上昇した。ただ、引けにかけて日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米10年債利回りの上昇が一服したこともあり、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も上値の重い動きとなった。一方、クロス円もドル円の下落に連れ安となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米消費者物価指数が、前月比で市場予想を上回り、2012年8月以来、8年7ヵ月ぶりの大幅な伸びとなったことを好感して、ドルは主要通貨に対して上昇となった。ドル/円は一時109.60まで上昇したものの、直後に米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.692%から1.651%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落に転じて軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、米指標発表直後に対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
(4)米30年債入札が良好イな結果となったことを受けて米長期金利が一段の低下となり、米10年債利回りが1.614%まで下げ幅を拡大したことから、ドル/円は終盤に109.03まで下落した。ただ、4/8に付けた109.00が意識され、安値圏では底固い動きとなった。一方、クロス円は、対ドルで堅調な動きとなったこともあり、対円でも終盤まで底固い動きとなった。
本日のトピックス
ドルは、主要通貨に対して軟調な動きが続いており、その中で昨晩米当局がジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンの中止を求めたことで、米経済の回復期待が失速するとの警戒感もドルの圧迫要因となった。ただ、ファイザーなどのワクチンもあることから深刻な状況にはならないとの見方もあるが、関連する報道などには注目したい。
本日の米国時間では、3月の米輸入物価指数の発表が予定されているものの、翌日の小売売上高に注目が集まっていることから、インパクトのある結果とならなければ、反応は限定的と予想されている。一方、パウエルFRB議長、クラリダFRB副議長の発言が予定されており、昨晩発表された米消費者物価指数が予想以上の伸びとなったことから、金融政策に関する発言には注目が集まっており、関連する発言がある場合には敏感に反応する可能性もあるだろう。
4/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.9% | 1.3% |
前回は市場予想を上回ったものの、2011年4月以来の高い伸びとなった1月の結果からは伸び幅が縮小した。エネルギーが上昇したものの、食品・飲料、資材が低下したことが影響した。今回は、前月から低下が予想されているが、コロナ前の2019年までの3年間の平均である0.1%を上回ることから輸入物価の上昇傾向が続いていることが示されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、下値のサポートであった一目均衡表の基準線を下抜けて一段の下げとなっており、ここから一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されている。
現状では、一目均衡表の基準線を下抜けていることや、オシレーターのMACDで両線下向きとなっていることから、軟調な展開が続く可能性も考えられる。目先の下値のポイントは108.405となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。なお、108.999を下抜けたことによる下値目標の計算値は108.000と計算できる。一方、上値のポイントは、基準線の109.648となり、ここを上抜ければ再び110円台を目指す可能性も考えられる。
さらに、一目均衡表では、基準線・転換線のクロスが近づいていることや、遅行スパンが価格帯まで接近していることから、基準線・転換線のクロスや、遅行スパンの価格帯下抜けには注目したい(これに加え、雲下抜けで三役逆転の弱気シグナルとなる)。