前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が350円超上昇したことから、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の低下が一服となり、米国債利回りが上昇したことに加え、欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも109.74まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米生産者物価指数が市場予想を上回る結果となったことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル/円は109.96まで上昇した。その後、上昇していた米国債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では109.56まで下落した。欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したものの、ドル/円の下落に連れて対円でやや上値の重い動きとなった。
米株式市場では、金融緩和策継続への期待や、新型コロナウイルスのワクチン接種進展による経済活動再開を背景に、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、終盤には一時前日比307ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。その後、高値圏を維持して297.03ドル高(+0.89%)で終了し、終値ベースの最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤やや軟調な動きとなったものの、70.88ポイント高(+0.51%)で終了し、終値ベースで2/17以来の高値を付けた。また、S&P500は、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比355円高まで上昇し、3万円台を回復したことから、投資家のリスク選好の動きからドルと円が売られる動きとなり、クロス円は堅調な動きとなった。一方、米長期金利の指標となる10年債利回りが上昇したこともあり、ドル/円も底固い動きとなった。
(2)日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなり、一時59円高まで上げ幅を縮小したことから、ドルと円が買われる動きとなり、クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.619%から1.653%まで上昇したことでドル買いとなったことも、クロス円の圧迫要因となった。一方、ドルは対円で109.74まで上昇した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。序盤に発表予定だった米生産者物価指数は、米労働省のサイトの不具合で発表が約30分遅延した。結果は市場予想を上回る結果となったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことから、ドル/円は109.96まで上昇した。
(4)110円台を前にドル/円は上値の重い動きとなり、さらに上昇していた米10年債利回りが1.683%から1.635%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円で109.56まで下落した。欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したものの、ドル/円の下落が影響してクロス円もやや上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
ドルは、先週前半に110円台を割り込み、上値の重い動きとなっており、週末に一時110円台手前まで上昇したものの、押し戻されている。今週は、110円台を再び回復できるのか、上値の重い動きが続き、一段の下げとなるのか注目される。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、米3年債と10年債の入札が予定されており、このところ米長期金利の動向に為替市場が敏感に反応していることから、入札結果を受けた米国債(利回り)の動きに注目したい。一方、先週末にダウ平均とS&P500が史上最高値を更新するなど、堅調な動きが続いていることから、引き続き株式市場の堅調な動きが続くのかどうかにも注目が集まっている。