前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比200円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の低下も加わり、ドル/円は109.62まで下落した。ただ、前日の安値の109.58が意識されたこともあり、底固い動きとなった。午後には、日経平均株価が下げ幅を縮小し、終盤に一時プラス圏まで上昇したことから、クロス円は底固い動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなり、一時109.44まで下落し、3/29以来の安値となった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、円と米国債が買われ、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で109.00まで下落し、3/25以来の安値となった。ただ、109円台割れを回避した後は、値頃感の買い戻しもあり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨に対してドルの下落が続いたことから、ユーロや豪ドルは対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、米新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加したことを受けて、米国債が買われて利回りが低下したことから、金利により敏感なハイテク株を中心に買いが先行した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比103ドル安まで下落したものの、その後はプラス圏まで回復し、57.31ドル高(+0.17%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは序盤から堅調な動きとなり、140.47ポイント高(+1.03%)で終了した。なお、S&P500は取引時間中、終値ベースの最高値を連日更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比214円安まで下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は109.71まで下落した。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、リスク回避の動きが和らぎ、クロス円は堅調な動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことに加え、米長期金利が低下したことも影響し、対円でも109.43まで下落した。
(3)米国市場では、米長期金利の指標となる米10年債利回りが欧州時間から低下が続いたこともあり、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、安全資産とされる円と米国債が買われ、米長期金利の低下に拍車がかかったことから、ドルは対円で109.00まで下落し、3/25以来の安値となった。
(4)109円台割れを回避したことを受けて、値頃感の買い戻しの動きから、ドル/円は底固い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨に対してドルの下落が続いたことから、ユーロや豪ドルは対円でも堅調な動きとなった。一方、ポンドはドルや円に対して引き続き上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
ドル、ポンド、豪ドルなどは対円で上値の重い動きが続いているが、ユーロ/円は底固い動きが続いている。また、ユーロは対ドルで堅調な動きが続いているが、欧州各国ではロックダウンが延長されるなど、景気回復の鈍化が懸念されていることもあり、引き続きユーロの堅調な動きが続くのかどうか注目されている。
米国市場では、3月の生産者物価指数などの発表が予定されているが、マーケットへの影響はそれほど大きくならない指標であることから、予想外の結果とならなれば、反応は限定的と見られている。
4/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.5% | 0.5% |
前回は市場予想と一致し、2010年以降で最大の伸びとなった1月の結果から伸び幅は低下した。一方、前年比では市場予想を上回り、2018年10月以来の大幅な伸びとなった。ワクチン接種が進んでいることなどから、生産が回復傾向にあり、インフレの兆候が示された。今回は、前月比で前月から変わらずの伸びが予想されているものの、前年比ベースでは、さらに伸び幅の拡大が予想されている。 |