前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことや、実需ドル買いなどが観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時109.90まで上昇した。その後は、米国債利回りが失速したことや、日経平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後には、再び日経平均株価がプラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米貿易収支で、赤字額が1992年以降で最大の赤字額となったことや、米国債利回りが低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時109.60まで下落した。その後、FOMC議事録では、ハト派的な見解が改めて示されたものの、マーケットの反応は限定的となった。ただ、米国債利回りが持ち直したことを受けて、ドル/円は109.88まで値を戻した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルでやや軟調な動きが続いたことから、対円でも終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米景気の回復が加速するとの期待感を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、一方で景気過熱による物価急上昇が懸念されていることに加え、ダウ平均、S&P500が高値圏で推移していることから、利益確定の動きも見られ、上値の重い動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比91ドル高まで上昇したものの、その後はマイナス圏まで下落するなど、上値の重い動きとなった。終盤には再びプラス圏まで上昇し、16.02ドル高(+0.05%)で終了した。一方、ナスダックは9.54ポイント安(-0.07%)と、小幅安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が堅調な展開で始まり、一時前日比171円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が下落に転じて、173円安まで下落したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は109.58まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が再びプラス圏まで値を戻したこともあり、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。一方、ポンドは目立った材料がないものの、主要通貨に対して軟調な動きが続いたことから、ドルや円に対して一段の下落となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米貿易収支で赤字額が市場予想を上回り、1992年以降で最大の赤字額となったことや、米10年債利回りが低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時109.60まで下落となり、クロス円も影響を受けて上値の重い動きとなった。
(4)下げ一服後は底固い動きとなり、米10年債利回りが1.633%から1.677%上昇するなど持ち直したことから、ドル/円は109.88まで値を戻した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルでやや軟調な動きが続いたことから、対円でも終盤まで上値の重い動きが続いた。なお、FOMC議事録では、ハト派的な見解が改めて示されたものの、マーケットの反応は限定的となった。
本日のトピックス
米国市場では、新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、緩やかな改善は織り込み済みとなっていることもあり、マーケット参加者の注目度も低下している。そのため、市場予想と乖離した結果とならない限り、反応は限定的と見られている。一方、IMFのバーチャルセミナーで、パウエル米FRB議長の発言が予定されているなど、複数の米金融当局者の発言が予定されていることから、発言の内容にも注目したい。また、ドルは再び米長期金利の動きに敏感に反応していることもあり、米長期金利の指標となる米10年債利回りの動きにも注目したい。
4/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(4/3までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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69.0万件 | 71.9万件 |
前回は市場予想を上回り、2020年3/13の週以来の低水準となった前週の結果からも増加した。ただ、増加は一時的と見られており、今回も小幅な減少が予想されており、引き続き緩やかな改善が続くと見られている。そのため、緩やかな改善はすでに織り込まれていることから、予想の範囲内の結果ならマーケットの反応は限定的だろう。 |