前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなったものの、ドル/円は前日の欧州時間に付けた半年ぶり高値には届かなかった。その後、一時マイナス圏まで下落した日経平均株価が持ち直し、プラス圏まで上げ幅を拡大したことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。欧州市場では、欧州主要株価が上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなり、ドルは米長期金利の上昇を受けて、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された2月の米ADP雇用統計が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は一時106.80まで下落した。ただ、米長期金利が上昇したこともあり、ドルは再び主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は107.15まで上昇、昨年7/23以来の高値を付けた。その後、ロンドンフィキシングに向けてドル売り・ユーロ買いが観測されたことから、ドルは対ユーロなどに対して下落となり、対円でも一時106.84まで下落した。一方、米主要株価指数が終盤に下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、クロス円は上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米長期金利上昇への警戒感を背景に、主要株価指数は序盤からやや軟調な動きとなった。ただ、根強い米景気回復期待もあり、ダウ平均株価はプラス圏に回復して底固い動きが続いた。しかし、米長期金利が高水準で推移したこともあり、ダウ平均株価は終盤に再びマイナス圏まで下落し、121.43ドル安(-0.39%)で終了した。一方、金利上昇が影響しやすいPERの高いハイテク株中心のナスダックは、361.04ポイント安(-2.70%)と連日の大幅下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場で米長期金利が低下したことに伴い、ドル安となった流れを引き継ぎ、ドル/円は軟調な展開で始まった。一方、クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、ドルは時間外取引の米10年債利回りが上昇したことから、対円で底固い動きとなった。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、一時マイナス圏まで下落したが、その後再びプラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなり、一時前日比196円高となったことや、米株価先物市場でダウ先物が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み上昇したことや、ユーロ圏の経済指標が良好な結果となったことも加わり、ドルと円が売られる動きとなった。ドルは米10年債利回りが上昇したことを受けて、対円で堅調な動きが続き、107円台を回復した。
(4)米国市場では、序盤に発表された2月の米ADP雇用統計が市場予想を下回る低い伸びとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、昨年8/14以来の107円台から下落となり、一時106.80まで下げた。しかし、その後米長期金利が1.5%台に迫る水準まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は再び107円台に回復して107.15まで上昇、昨年7/23以来の高値を付けた。
(5)ドルの上昇が一服したことに加え、ロンドンフィキシングに向けてドル売り・ユーロ買いが観測されたことから、ドルは対ユーロなどに対して下落となり、対円でも一時106.84まで下落した。その後は、米長期金利が高値圏で推移したことから、ドルは底固い動きが続いたものの、米主要株価指数が終盤に下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドル/円が昨年8/14以来の107円台回復となり、東京市場でも序盤から107円台で推移している。107円台では、一部でドル売りに押されるとの見方があるものの、107円台を維持できるのか注目されている。
米国市場では、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、前回予想外の改善となったことから、今回は前回の反動で大幅増加となるとの見方もあり、結果が注目される。また、昨日発表された2月の米ADP雇用統計では、民間の雇用者数の伸びが市場予想を下回る伸びとなり、2月の米ISM非製造業景況指数では、雇用指数が低下したことから、本日の結果が冴えない結果となるようなら、週末の米雇用統計に対する懸念が高まる可能性も考えられる。一方、パウエルFRB議長が米経済に関する会合に参加することから、議長の発言の内容にも注目したい。
3/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/27までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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75.5万件 | 73.0万件 |
前回は予想外の改善となり、昨年11/27の週以来の低水準まで改善した。ワクチン接種が進んでいることや、感染が減少していることもあるが、米国で発生した寒波で、テキサス州など複数の州で申請ができなかったことが影響した可能性も考えられる。今回は、前週からの増加が予想されており、一部では寒波で見送られた反動で大幅に増加している可能性を指摘する向きもある。 |