前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時106.22まで上昇し、昨年9/11以来の高値を付けるなど、クロス円も軒並み堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことや、米長期金利が低下したことから円買いの動きが強まり、ドル/円は106円台を割り込む動きとなるなど、クロス円も軟調な動きとなった。その後、米株式先物市場でダウ先物が底固い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、欧州時間には、主要株価指数が下落したことからクロス円は軟調な動きとなったものの、その後下げ幅を縮小したことから、底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がいずれも市場予想を大きく上回る結果となったことから、ドル買いが優勢となった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドルは対円で一時106.21まで上昇した。その後、インフレへの警戒感から米主要株価が下落となり、クロス円は軟調な動きとなった。さらに、上昇していた米国債利回りが低下したことから、ドル/円は105.78まで下落した。その後、FOMCの議事要旨で、物価上昇に関しては一時的との認識が示されたこともあり、米主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。
米株式市場では、最近の上昇を受けて利益確定売りの動きが先行し、ダウ平均が一時前日比183ドル安まで下落するなど、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤に発表された米経済指標が予想以上の大幅な上昇となったことで、インフレへの警戒感が再燃したことも圧迫要因となった。その後、下げ幅を縮小したことに加え、FOMC議事要旨でインフレに関して一時的との見方が示されたこともあり、ダウ平均株価は終盤に120ドル高まで反発する場面もあり、90.27ドル高(+0.29%)で終了し、3営業日連続で終値ベースの最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、82.00ポイント安(-0.58%)で終了し、続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は一時106.22まで上昇し、昨年9/11以来の高値を更新、ユーロ/円は128.46まで上昇し、2018年12/17以来の高値を更新するなど、軒並み堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比276円安まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期債の指標となる米10年債利回りは、時間外取引で1.331%から1.288%まで低下したことから、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は106円台を割り込み、105.91まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きっとなったものの、マイナス圏での動きが続いたことや、ドル円・クロス円は連日の上昇が続いたことから利益確定の動きなどもあり、上値の重い動きが続いた。ドル/円は、一時105.84まで下落する場面もあったが、低下していた米10年債利回りが下げ幅を縮小する動きとなったことや、米株価先物市場で下落していたダウ先物がプラス圏まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な展開で始まった。序盤に発表された、1月の小売売上高が大幅上昇となり、4ヵ月ぶりのプラスとなったことや、1月の生産者物価指数が2009年12月以来の大幅上昇となったことを受けて、ドル買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、インフレへの警戒感が再燃し、米長期金利が上昇したこともあり、ドルは対円で一時106.21まで上昇した。ただ、東京時間に付けた106.22には届かなかった。
(4)インフレへの警戒感が意識され、米主要株価指数が下落したことから、クロス円も軟調な動きとなった。さらに、1.329%まで上昇していた米10年債利回りが1.266%まで低下したことも加わり、ドル/円は105.78まで下落した。ただ、FOMCの議事要旨では、物価上昇に関しては一時的との認識が示されたこともあり、ダウ平均がプラス圏まで上昇するなど、主要株価指数が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
欧州時間では、トルコ中銀の金融政策発表が予定されており、政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。ただ、声明などを受けて思惑が交錯する場合には、トルコ・リラが敏感に反応する可能性も考えられることから、注意しておきたい。
米国市場では、米新規失業保険申請件数、1月の米住宅着工件数の発表が予定されており、引き続き改善が見られるのか、改善が一服となるのか注目されている。特に、昨日発表された米小売売上高や生産者物価指数が市場予想を大幅に上回る結果となったこともあり、個人消費と共に回復の遅れが懸念されている雇用関連の経済指標への注目が高まっている。米国のワクチン接種が進んでいることや、追加経済対策への期待感を背景に、米経済の正常化が近いとの見方もあることから、前日に続き明確な改善が示されるようなら、米経済の回復期待も一段と高まる可能性も考えられる。
2/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/13までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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77.0万件 | 79.3万件 |
前回は市場予想ほどの減少とはならず、小幅減少にとどまったものの、1/1までの週以来の低水準となった。一方、連邦政府のパンデミック失業支援プログラムの新規申請件数(1/23までの週)は150万件増の870万件となり、労働市場への影響が続いていることが示された(パンデミック失業支援は、通常の失業保険の対象外となる労働者に適用される)。今回は、小幅減少が予想されており、引き続き小幅な減少が予想されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
1月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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165.8万件 | 166.9万件 |
前回は4ヵ月連続の増加となり、2006年10月以来の高水準となった。集合住宅が13%以上減少したものの、一戸建て住宅が12%増と2006年9月以来の高水準となったことが影響した。今回は、前月から減少が予想されているものの、先行指標となる許可件数が前回4.5%増と、2006年8月以来の高水準となっていることから、着工件数の増加を予想する向きもある。 | ||||
22:30 | 米国 |
2月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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20.0 | 26.5 |
前回は市場予想に反して上昇となり、昨年2月以来の高水準となった。新規受注や雇用者数が前月から大幅に改善したことが影響した。また、半年先の予想でも景況指数が3ヵ月ぶりに上昇するなど、先行き期待も改善していることが示された。今回は、前回からの低下が予想されているが、2019年までの過去3年間の平均の19.2を上回る水準が維持されると予想されており、予想通りなら懸念要因にはならないと考えられる。 |