前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が大幅上昇となったこともあり、投資家のリスク選好の動きから、安全資産とされる円が売られ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドルは、時間外取引で米国債利回りが上昇したことも加わり、対円で堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均が一時600円を超える上昇となり、ドル円・クロス円が一段の上昇となり、ドル/円は一時105.63まで上昇した。しかし、終盤に日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円も伸び悩む展開となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想を大幅に上回る結果となったことから、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、米株式市場で主要3指数が史上最高値を更新したこともあり、投資家のリスク選好の動きが強まり、比較的安全な資産とされる円を売る動きが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。ドル/円は、終盤に106.00まで上昇し、昨年10/9以来の106円台乗せとなった。
米株式市場では、ワクチンの普及が加速するとの観測や、米追加経済対策による景気回復への期待を背景に、主要株価指数は序盤から買いが優勢となり、主要3指数はいずれも取引時間中の最高値を更新した。その後は利益確定の動きなども入り、一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、ダウ平均は64.35ドル高(+0.20%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、47.97ポイント安(-0.34%)で終了し、反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の米国市場が休場だったこともあり、序盤のドル円・クロス円は小動きの展開となった。その後、日経平均株価が上昇して始まり、前日比480円超上昇したことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、時間外取引で米10年債利回りが2/27以来の1.24%まで上昇したことから、対円で堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も上げ幅を拡大する動きとなった。さらに、日米の金利差拡大を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、ドル/円は一時前日の高値を上回り105.63まで上昇した。ただ、日経平均株価が終盤に上げ幅を300円以上縮小する動きとなったことから、それまで堅調な動きが続いたドル円・クロス円も下落に転じた。欧州市場では、欧州主要株価指数がマイナス圏まで下落するなど、上値の重い動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された2月ニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想を大幅に上回る結果となったこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米景気回復に関して米当局者が楽観的な見方を示したことも、ドルの押し上げに寄与した。
(4)米株式市場で主要3指数が史上最高値を更新する動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、比較的安全な資産とされる円を売る動きが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。さらに、安全資産とされる米国債も売られ(相場は下落、利回りは上昇)、米長期金利の指標となる10年 債利回りが一時1.309%まで上昇し、昨年2月以来約1年ぶりの高水準となった。また、30年債利回りも2.095%まで上上昇し、昨年2月以来の高い水準をつけたことから、ドル買い・円売りが強まり、ドル/円は終盤に106.00まで上昇し、昨年10/9以来の106円台乗せとなった。
本日のトピックス
日本でも新型コロナワクチンが承認されたが、英国や米国では接種が進んでおり、米国では飲食店の営業が再開されたところもあり、経済の正常化が進むとの期待感もある。さらに、米追加経済対策による景気回復への期待も高まっていることも加わり、内外の株式市場では堅調な動きが続いており、株価の上昇を受けて、投資家のリスク選好の動きから円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなっている。
東京市場では、日経平均株価が下落して始まっているが、株式市場の動きに為替市場も影響を受ける展開が続いていることから、内外の株式市場の動きに注目したい。
米国市場では、1月の小売売上高の発表など、主要な経済指標の発表が予定されている。前回の小売売上高では、年末商戦が不振だったことが明らかとなった。今回は、改善が見られるのか、また景気回復への期待が高まる結果となるのか注目されている。
2/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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1.0% | -0.7% |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月連続のマイナスとなった。感染拡大の影響で、年末商戦が不振だったことが影響し、第4四半期の個人消費の低迷が示された。今回は、改善が予想されており、2021年の第1四半期に改善が示されるのか注目される。 | ||||
23:15 | 米国 |
1月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.4% | 1.6% |
前回は市場予想を上回る結果となり、3ヵ月連続のプラスで昨年7月以来の高い伸びとなった。感染拡大の影響がある中で、底固さが示された。今回は、小幅上昇が予想されており、緩やかながら改善傾向が続いていることが示されると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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83 | 83 |
前回は予想以上の低下となり、2ヵ月連続の低下となった。住宅価格の上昇などが影響したが、依然として高水準を維持している。今回は、前回から横ばいが予想されており、在庫不足や価格上昇が緩和されなければ、楽観的な見方は後退すると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、調整一服から上昇に転じ、基準線を上抜け、直近高値を上回ったことで基準線を上向きにするなど、堅調な動きとなっており、ここから一段の上昇となるのか、今後の展開が注目される。
レジスタンスの105.769を上抜けたことによる上値目標の計算値は106.849と計算できるが、上昇が続く展開の中では、下げ始めると前回のように下げ足を速める可能性もあることから、値動きには注意も必要。