前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、マイナス圏で推移したことから、ドルや円が買われる動きとなった。ただ、中国や香港市場が休場だったことや、週明けの米国市場が休場となることから、積極的な売買が手控えられたことから、全般的に限定的な動きとなった。終盤には、日銀の3月の政策点検でマイナス金利の深堀などを検討との観測が報じられたことを受けて、日経平均株価が下げ幅を縮小するなど、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米主要株価が序盤から軟調な動きとなったこともあり、ドルや円が買われる動きとなった。その後、米主要株価指数が景気対策への期待から反発に転じるなど堅調な動きとなったことや、2月のミシガン大学消費者信頼感指数が半年ぶりの低水準となったこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロはロンドンフィキシングに向けたドル売り・ユーロ買いの動きが観測されたこともあり、一時1.2129まで上昇した。ただ、アジア時間に付けた1.2135には届かず、その後はやや上値の重い動きとなった。
米株式市場では、米国の3連休を控えて利益確定売りが先行し、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、米追加経済対策への期待感も根強く、その後は買いが優勢となった。ダウ平均株価は、取引終盤にプラス圏まで上昇し、前日比27.70ドル高(+0.09%)で終了し、終値ベースの最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、69.70ポイント高(+0.50%)で終了し、2営業日連続で終値ベースの最高値を更新した。なお、S&P500は取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)休場明けの東京市場では、日経平均株が上昇して始まったものの、その後下落に転じて一時10日と比べて145円安まで下落し、投資家のリスク回避の動きが意識されたことから、円とドルが買われる動きとなった。さらに、仲値公示近辺では、実需のドル買いも観測され、ドルは対円でも堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小したことからクロス円は底固い動きが見られたものの、中国や香港市場が春節、旧正月の休場で市場参加者が限られたことや、週明けの米国市場も休場となることから売買は低調となったこともあり、値動きは限定的だった。その後、日銀が3月の政策点検でマイナス金利の深掘り余地の明確化を検討しているとの観測が報道されたことを受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州時間では、上昇一服となったことに加え、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国市場では、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったこともあり、リスク回避の動きが意識され、ドルと円が買われる動きとなった。しかし、その後米主要株価指数が上昇に転じたことや、2月のミシガン大学消費者信頼感指数が半年ぶりの低水準となったこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロは序盤に対ドルで軟調な動きとなったものの、株価の反発やロンドンフィキシングに向けたドル売り・ユーロ買いの動きが観測されたこともあり、一時1.2129まで上昇した。ただ、アジア時間に付けた1.2135には届かず、その後はやや上値の重い動きとなった。また、ポンドは、英GDPが予想より良好な結果となったこともあり、主要通貨に対して堅調な動きが続き、対円では145.48まで上昇し、2019年12/17以来の高値を更新した。
(4)米追加経済対策による景気回復に伴いインフレが加速するとの懸念を背景に、米長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.208%まで上昇し、昨年3月以来約11ヵ月ぶりの高水準となったこともあり、ドルは終盤にかけて底固い動きとなった。
本日のトピックス
日経平均株価が序盤に一時1990年8月以来の30000円台を回復する場面が見られるなど、内外の堅調な株式市場の動きが続いており、投資家のリスク志向の動きからドルと円が主要通貨に対して軟調な動きとなっている。ただ、前週末の海外市場で米10年債利回りが11ヵ月ぶりの高水準となるなど、金利上昇が続いていることもあり、ドルは対円で底固い動きとなっており、引き続きドル円・クロス円は堅調な動きが続くのか注目される。
本日の米国は、President's Day(プレジデンツ・デー)の祝日のため、株式や国債のほかNYMEXを含むCMEグループの各取引市場が終日休場となることから、海外市場では限定的な動きが予想されている。