前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを受けて、クロス円は堅調な動きとなった。日経平均株価が上昇して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。仲値公示にかけては、実需のドル買いも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では105.54まで上昇した。終盤には、日経平均株価が600円超まで上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。特に、原油価格の上昇を好感して、豪ドルはドルや円に対して上昇となり、対円では約2年2ヵ月ぶりの81円台乗せとなった。欧州時間では、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では105.67まで上昇した。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、米主要株価指数が軒並み堅調な動きとなり、投資家のリスク選好の動きからドルや円が売られる動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドルは対円で一時105.15まで下落した。一方、ロンドンフィキシングに向けてユーロ売りが観測されたことや、ラガルドECB総裁が緩和的な金融政策は引き続き欠かせないと発言したことを受けて、ユーロは主要通貨に対して下落した。なお、株高に加え、原油価格の上昇なども影響し、豪ドルは対円で一時2018年12/18以来の高値を付けた。
米株式市場では、バイデン米政権の経済対策が早期に実現するとの見方を背景に、景気回復への期待感が高まったことを受けて、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、終盤に前週末比237.86ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。高値圏のまま、237.52ドル高(+0.76%)で終了し、6営業日続伸で終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは131.35ポイント高(+0.95%)で終了し、S&P500と共に取引時間中、終値ベースの最高値を連日更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、前週末の米国株の上昇を受けて、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比500円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、実需のドル買いが観測されたこともあり、仲値公示にかけて堅調な動きとなり、一時105.54まで上昇したものの、前週末に付けた高値の105.77には届かなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで軟調な動きとなったことから、クロス円は上昇一服後に上値の重い動きとなった。
(2)北海ブレントが60ドル台を突破したことや、時間外取引のNY原油が57ドル台で推移したことを受けて、資源国通貨は対ドルで持ち直し、対円でも堅調な動きとなった。豪ドルは一時81.03まで上昇し、2018年12/19以来の81円台乗せとなった。さらに、終盤に、日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、米国債利回りが上昇したことでドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は一時105.67まで上昇したものの、前週末の海外時間に付けた105.77には到達できず、その後は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、直前の欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い展開となった。米国の主要な経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、米主要株価指数が軒並み堅調な動きとなり、投資家のリスク選好の動きから、安全資産とされるドルや円が売られる動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.191%から1.149%まで低下したことに加え、クリーブランド連銀総裁がFRBは金融緩和を長期にわたって続けるだろうとの見方を示したこともドルの圧迫要因となり、ドルが対主要通貨で全面安となる中、対円で一時105.15まで下落した。一方、ユーロは対ドルで1週間ぶりの高値まで上昇していたが、ロンドンフィキシングに向けてユーロ売りが優勢となったことや、ラガルドECB総裁が緩和的な金融政策は引き続き欠かせないと発言したことを受けて、ユーロはポンドとドルを除く主要通貨に対して下落した。なお、株高に加え、原油価格の上昇なども影響し、豪ドルは対主要通貨で全面高となり、対円で一時81.19まで上昇し、2018年12/18以来の高値を付けた。
(4)引けにかけて米主要株価指数が上げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなったが、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上値の重い動きが続いたことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
欧州時間では、ドイツの12月の貿易収支の発表が予定されているが、昨年末の感染拡大の影響で、3ヵ月連続の低下が予想されている。悪化は織り込まれていることから、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と考えられる。一方、米国時間でも雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、重要度の高い経済指標の発表でないことから、こちらも反応は限定的だろう。
昨晩の米株式市場では、主要3指数が取引時間中、終値ベースの最高値を更新したことから、本日の動きも注目されており、経済対策などの進展報道などがあれば、堅調な動きが続く可能性も考えられる。その中で、株価上昇や、上昇が続いた米10年債利回りがやや失速していることもあり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなっている。ここからさらに軟調な動きとなるのか、持ち直す動きとなるのか注目されている。
2/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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640.0万件 | 652.7万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、10月の結果からは小幅減少となった。ただ、依然として高水準が続いており、労働需要が比較的安定していることが示された。一方、レイオフ、解雇の比率は上昇し、6月以来の高水準となった。今回は、小幅減少が予想されているが、離職者数やレイオフ・解雇の比率にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は7連騰の後、昨年10月以来の高値を付けた後は上昇が一服し、上値の重い動きが続いている。2営業日連続で上ヒゲの長いローソク足の足型となっており、ここから調整局面が続くのか、持ち直して底固い動きとなるのか注目されている。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小傾向が続いており、先行するラインも失速、ここから、先行するラインが下向きに転換し、両線がクロスとなる場合には一段の下げを示唆する形状となることから注目だ。
調整が続く場合の下値の目途は、(1)104.83 (2)104.55 (3)104.26 近辺となります。そして、(3)を下抜ける場合には一段の下げとなり、一目均衡表の基準線近辺や、雲上限近辺までの下げも考えられる。