前営業日トピックス
米経済指標の改善に伴い、米国景気の回復期待が高まったことを背景に、ドル買いの動きが続いた流れを受けて、東京市場でもドル買いが先行し、一時105.64まで上昇した。また、クロス円も序盤から堅調な動きとなった。その後、円を買い戻す動きに押され、上昇一服後はドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、日経平均株価が前日比400円超上昇したこともあり、下値は限定的だった。欧州時間には、米上院で予算決議案が可決されたとの報道を受けて、時間外取引の米株価先物が上昇したこともあり、ドル円クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された1月の米雇用統計では、失業率が昨年3月以来の低水準に改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果となり、先に発表されたADP雇用統計やISM非製造業雇用指数の改善に反する結果となったことから、ドルが主要通貨に対して軟調となり、米国債利回りが低下したことも加わり、ドルは対円で104.34まで下落した。
株式市場では、米追加経済対策の進展期待感が高まり、ダウ平均株価は序盤に前日比196ドル高まで上昇するなど、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、1月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったこともあり、その後は伸び悩む動きとなった。ダウ平均株価は、前日比92.38ドル高(+0.30%)で終了し、5営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは78.55ポイント高(+0.57%)で終了し、S&P500と共に、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル円は一時105.64まで上昇し、昨年11/11以来の高値を更新した。一方、前日の英中銀のMPC(金融政策委員会)で、マイナス金利の導入に否定的な見方が示されたことが引き続き材料視され、ポンドは対円で144.52まで上昇し、昨年2/24以来の高値を更新した。上昇一服後は、円買い戻しの動きに加え、仲値公示にかけて実需のドル売り・円買いも観測され、ドル/円105.46まで下落したものの、下値は限定的だった。
(2)ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。一方、日経平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比400円超上昇したこともあり、クロス円の下値は限定的だった。その後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも一段の下落となった。
(3)米上院で予算決議案が可決されたとの報道を受けて、時間外取引の米株価先物市場でダウ先物が上昇したことや、米長期金利の指標となる10年債利回りが上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は上昇となり、ドル/円は米国市場序盤にかけて105.77まで上昇し、昨年10/9以来の高値を付けた。また、ポンド/円も144.89まで上昇し、昨年2/21以来の高値を更新した。
(4)1月の米雇用統計では、失業率が昨年3月以来の低水準に改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果となり、先に発表されたADP雇用統計やISM非製造業雇用指数の良好な結果に反する結果となったことから、ドルが主要通貨に対して下落した。さらに、1.185%まで上昇していた米10年債利回りが1.134%まで低下したことも加わり、ドルは対円で105.34まで下落した。
本日のトピックス
米国の追加経済対策に進展期待が高まったことから、前週末の米主要株価指数が上昇となり、その流れを受けて、週明けの東京市場でも日経平均株価が500円超上昇するなど、堅調な動きとなっている。一方、株価上昇を受けて、ドル円・クロス円も底固い動きとなっている。ただ、株式市場では期待先行であり、高値を警戒する声もあることから、内外の株式市場の動きには注目したい。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表予定がなく、新規材料に乏しいことから、株価や金利動向が注目される。また、追加経済対策に関するヘッドラインなどにも敏感に反応イする可能性もあるだろう。