前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が400円超上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。しかし、ユーロは先週からの当局者のユーロ高牽制発言や、利下げの可能性を示唆する発言が続いたことも引き続き影響し、ドルや円などに対して上値の重い動きとなった。一方、実需筋などのドル売りが観測されたこともあり、ドル/円は一時104.61まで下落したものの、下値は限定的だった。欧州時間に入り、ユーロが対ドルで下落したことから、ドルは対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がまちまちの結果となったことから、ドルはやや上値の重い動きとなった。ただ、下値は限定的となり、欧州通貨などに対して上昇したこともあり、対円で一時105.04まで上昇しする場面もあった。一方、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったものの、ユーロやポンドは対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。ただ、豪ドルなどの資源国通貨は対ドルで底固い動きとなり、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、先週末にダウ平均株価が3万ドルを割り込んだことから、値頃感の買いが先行した。さらに、個人投資家の投機的な買いが一巡しているとの見方もリスク回避姿勢の後退につながった。ダウ平均株価は、一時前週末比353ドル高まで上昇、終盤にはやや上げ幅を縮小したものの、229.29ドル高(+0.76%)の30221.91ドルとなり、3万ドルを回復して終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、332.70ポイント高(+2.55%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルや円が買われる動きとなり、クロス円は軟調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、クロス円は堅調な動きとなった。一方、仲値公示にかけて、実需筋や投機筋による戻り売りに押され、ドルは対円で104.61まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅をさらに拡大し、前週末比443円高まで上昇したことから、クロス円は一段の上昇となった。一方、先週のユーロ高牽制発言や、オランダ中銀総裁が中銀預金金利をさらに引き下げる余地があるとの発言を受けて利下げ観測が燻っていることも影響し、ユーロはドルや円に対して上値の重い動きが続いた。一方、ドルはユーロなどに対して堅調な動きが続いたことから、欧州時間に入り対円でも堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された1月の米製造業PMIが市場予想を上回ったものの、その後に発表された1月の米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことから、ドルはやや上値の重い動きとなった。その後、ドルは欧州通貨などに対して堅調な動きとなったこともあり、一時対円でも105.04まで上昇し、昨年11/16以来の105円台乗せとなった。一方、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったものの、ユーロやポンドは対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも軟調な動きが続いた。また、豪ドルなどの資源国通貨は原油価格などの上昇が好感され、対ドルで底固い動きとなり、対円でも堅調な動きとなった。また、先週トルコ中銀総裁が金融引き締めを継続する意向を示したことが引き続き資料視され、トルコ・リラは主要通貨に対して堅調な動きが続き、対ドルで昨年8/7以来、対円で8/21以来の高値を更新した。
本日のトピックス
欧州市場では、ユーロ圏の第4四半期GDPの速報値の発表が予定されている。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響もあり、前期比で再びマイナス、前年比でも引き続きマイナスが予想されており、結果が注目される。特に、ドルが堅調な動きとなっていることに加え、ユーロ高牽制発言なども意識され、対ドルで下落が続く場合には、対円でも軟調な動きとなる可能性も考えられることから、ユーロの動きには注目したい。
一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、前日に反発した米国株式市場や長期金利の動きなどが注目される。ただ、翌日に重要な米経済指標の発表が予定されていることや、週末には米雇用統計の発表も控えていることから、様子見ムードが広がる可能性もあり、やや限定的な動きも予想されている。