前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から300円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時103.67まで上昇したものの、米国債利回りが低下したことから、その後は上値の重い動きとなり、103.33まで下落した。一方、クロス円もやや上値の重い動きとなった。なお、日銀の金融政策発表や、その後の黒田総裁の会見があったが、反応は限定的だった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことを好感して、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、一時103.66まで上昇したものの、米国債利回りが低下したこともあり、上値の重い動きとなった。一方、序盤に取引時間中の最高値を更新したダウ平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、クロス円も上値の重い動きとなった。しかし、ナスダックは終盤に最高値を更新するなど、堅調な動きとなったことや、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に取引時間中の最高値を更新するなど、主要株価指数は堅調な動きとなった。しかし、その後は利益確定の動きからマイナス圏まで下落する動きも見られ、ダウ平均株価は12.37ドル安(-0.04%)と小幅安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、IT大手の良好な好決算見通しが下支え要因となり、73.67ポイント高(+0.55%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を連日更新した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比322円高まで上昇したことで、投資家のリスク選好の動きから、ドルと円が売られる動きとなった。また、バイデン氏の米大統領就任式が混乱なく終了したこともあり、ドルは対円で序盤から底固い動きとなり、一時103.67まで上昇した。一方、ウエストパック銀行が、今年の政策金利見通しで、NZ中銀が年内政策金利を据え置くとの見通しを示し、従来の2度の利下げ予想から修正したことが好感され、NZドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、豪州の雇用統計では、失業率が前月から改善したものの、豪ドルの反応は限定的だった。
(2)日銀は金融政策決定会合で、現行の金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。感染拡大を背景とした企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとしたが、予想の範囲内であったことから、反応は限定的だった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、クロス円はやや上値の重い動きとなった。一方、米10年債利回りが低下したことから、ドルも対円で上値の重い動きとなり、一時103.33まで下落した。その後、米国債利回りの上昇もあり、ドル/円は値を戻した。
(3)欧州時間では、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも軟調な動きとなった。米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数、12月の住宅着工件数、1月のフィラデルフィア連銀景況指数がいずれも良好な結果となったことを好感して、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、一時103.66まで上昇したものの、アジア時間につけた高値の103.67には届かなかった。
(4)序盤に取引時間中の最高値を更新したダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.1194%から1.0939%まで低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きとなった。一方、ECB理事会後の会見で、ラガルドECB総裁がワクチンの普及に期待を示し、見通しの下振れリスクが軽減したとの見方を示したことを好感してユーロ買いとなる場面もあったが、為替レートを注視しているとしたことが嫌気されて反落となった。ただ、終盤にかけてユーロは対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
欧州各国のロックダウンの延長や、イタリアやオランダなどの政局不安などが、ユーロの圧迫要因となっている。加えて、昨日のラガルドECB総裁の会見で、為替市場を注視すると発言しており、引き続きユーロ高を牽制した発言したことも影響している。その中で、ドイツやユーロ圏の1月の製造業、サービス業のPMIの発表が予定されており、ロックダウンが延長されている状況下で、現状の景気動向を確認する上で注目されている。
米国市場では、12月の中古住宅販売件数の発表が予定されており、昨日発表された住宅着工件数が良好な結果だったことから、市場予想では前月からの減少が予想されているものの、一部では増加するとの期待もある。
ドル/円は、ここまで底固い動きが続いていたが、目先のサポートを下抜けたこともあり、下振れに対する警戒感も出ている。本日、103円台後半(103.80−90台)まで値を戻して終了するのか、103円台前半(103.30−20台)で終了するのかが、来週の動きを左右する可能性もあるので注目したい。
1/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月中古住宅販売件数 ![]()
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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655万件 | 669万件 |
前回は市場予想と一致し、2005年以来の高水準となった10月の結果から減少となった。在庫不足を背景に、価格が上昇していることが影響した。今回も、前回結果からの減少が予想されているが、依然として需要も旺盛であることから、小幅な減少に留まると見られている。 |