前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比478円高まで上昇したことから投資家のリスク志向の動きが強まり、ドルや円が売られた。一方、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドルは対円で堅調な動きとなり、104円台まで上昇した。ただ、その後104円台では上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。新規材料に乏しい中、次期財務長官に指名されたイエレン前FRB議長の指名承認公聴会を控え、全般的に小動きの展開となった。その後、イエレン前FRB議長が公聴会で追加経済対策の早期実現を求めたことから、米主要株価指数が底固い動きとなったこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドルは米国債利回りが低下したこともあり、主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、ドイツでロックダウンの延長が合意されたとの報道を受けて、欧州株価軒並み下落に転じたこともあり、ユーロは軟調な動きとなった。ただ、終盤にかけては値を戻す動きも見られた。
米株式市場では、次期財務長官に指名されたイエレン前FRB議長が、指名承認公聴会で追加経済対策の早期実現を求めたことから、追加経済対策の早期成立期待が高まり、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前週末比272ドル高まで上昇したものの、その後はやや上げ幅を縮小し、116.26ドル高(+0.38%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは198.68ポイント高(+1.53%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比400円超上昇したことから、投資家のリスク志向の動きが強まり、ドルと円が売られる動きとなった。さらに、米長期債の指標となる米10年債利回りが、時間外取引で1.097%から1.119%まで上昇となり、ドルは対円では堅調な動きとなった。 午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比478円高まで上昇したことから、クロス円は底固い動きが続いた。ドル/円は、一時104.08まで上昇した。
(2)ドル/円は、104円台では戻り売りなども観測されて上値の重い動きとなり、その後は104.00を挟んだもみ合いの展開が続いた。また、米国時間に次期米財務長官に指名されているイエレン前FRB議長の指名承認公聴会での発言を控え、様子見ムードが出ていることも影響した。
(3)米国市場では、直前の欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなかったものの、次期財務長官に指名されたイエレン前FRB議長の指名承認公聴会を控えて様子見ムードとなり、全般的に小動きの展開となった。ただ、上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小する動きもあり、やや上値の重い動きとなった。一方、アジア時間から欧州時間に大きく上昇したユーロは、ドイツのロックダウンの延長が合意されたとの報道を受けて、欧州主要価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことから、ドルや円などに対して上値の重い動きとなった。その後、イエレン前FRB議長が指名承認公聴会で追加経済対策の早期実現を求めたことを受けて、米主要株価指数が底固い動きとなったこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドルは米10年債利回りが1.117%から1.085%まで低下したことで、主要通貨に対して上値の重い動きとなり、対円でも終盤まで103円台後半での上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の欧州時間に発表されたドイツやユーロ圏の1月のZEW景況感調査が予想以上に改善したことが好感されたが、ドイツでロックダウンの延長が合意されたとの報道で、景気先行き懸念も意識された。さらに、イタリア、オランダなどの政局不安もあり、今後のユーロの動きが注目される。
米国では日本時間深夜2時00分からバイデン氏の米大統領就任式・演説が予定されており、今後の方針などが示されると見られている。その中で、トランプ前米大統領が許可した入国制限解除の解除、石油パイプラインの建設許可などを阻止するのか注目されている。また、周辺では厳戒態勢がとられており、混乱が起こる可能性も懸念されている。
一方、カナダ中銀の金融政策発表が予定されており、政策金利の据え置きが予想されている。さらに、最新の経済見通しの発表も予定されており、フォワードガイダンスの変更があるようなら、カナダ・ドルは敏感に反応する可能性も考えられる。
1/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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86 | 86 |
前回は市場予想を下回り、過去最高となった11月の結果から低下した。ただ、11月に次いで過去2番目の高水準であり、住宅市場の好調が続いていることが示された。今回は、前月から横ばいが予想されており、依然として在庫水準も低く、多少の低下があるにしても、引き続き高水準が維持されると見られている。 | ||||
0:00 | カナダ |
カナダ中銀 政策金利 |
0.25% | 0.25% |
前回は、政策金利である翌日物金利の誘導目標は、予想通り0.25%での据え置きが発表され、現状の量的緩和政策も維持された。需給の緩みが吸収されるまで金利を事実上の下限に据え置くとしており、マーケットで利上げは2023年以降との見方もある。今回も政策金利の据え置きが予想されており、据え置きは織り込み済みだか、今回は最新の経済見通しの発表も予定されている。フォワードガイダンスの変更があるかどうか注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、日足ベースで昨年の7月以降は一目均衡表の雲の下側で推移する展開が続いており、何度となく雲上限近辺の上抜けを試したが、いずれも頭を押さえられています。現状では、基準線の上側で推移しており、雲の上抜けを試す展開となるのか注目されます。
一方、オシレーターのMACDでは、昨年7月以降ゼロ・ポイント近辺が上限となっていますが、現状では先行するラインがゼロ・ポイントを上抜けているものの、両線の乖離幅は縮小傾向であることから、ここから失速して目先の軟調動きを示唆する形状となるのか、再び乖離幅が拡大に転じて上昇を示唆する形状となるのか注目されます。