前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れ引き継ぎ、米長期金利の低下が続いたことからドル売りが優勢となった。さらに、メルケル首相がロックダウンを少なくとも4月初旬まで実施する意向を与党議員に伝えたとの報道がユーロの圧迫要因となった。下げ一服後は、米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比300円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、ドルは米国債利回りの上昇や対ユーロで上昇したこともあり、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米消費者物価指数が予想通りの結果となり、予想以上のインフレの急伸が見られなかったことから米国債が反発となり、利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ラガルドECB総裁が為替水準を注視していると発言したことを受けて、以前のユーロ高牽制発言が意識されたことから、米国時間でもドルや円に対して軟調な動きとなった。
米株式市場では、トランプ大統領の弾劾訴追を巡る政治の混乱に対する警戒感を背景に、序盤の主要株価指数はマイナス圏まで下落するなど、上値の重い動きとなった。ただ、バイデン米次期大統領の大規模な経済対策への期待感もあり、その後は底固い動きとなった。ダウ平均株価は、8.22ドル安(-0.03%)と小幅安で終了、一方ハイテク株中心のナスダックは56.52ポイント高で続伸となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で、米10年債利回りが10ヵ月ぶりの高水準からの低下が続いた流れを受けて、東京市場でも時間外取引で利回りの低下となり、ドル売り・円買いが先行した。ドル/円は、一時103.53まで下落したことから、クロス円も連れ安となった。さらに、メルケル首相が新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウンを少なくとも4月初旬まで実施する意向を与党議員に伝えたとの報道も圧迫要因となった。
(2)堅調な展開で始まった日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比339ドル高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、1.106%まで低下した米10年債利回りが、上昇に転じたこともドルの下支え要因となった。
(3)ラガルドECB総裁、フランス中銀総裁が為替水準を注視していると発言したことから、先のユーロ高牽制発言が意識され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、コロナ感染拡大からの復興計画に不満を示したレンツィ元首相が党首を務めるヴィヴァが連立からの離脱を示唆したこともユーロの圧迫要因となった。ドルは対ユーロで堅調な動きとなったことや、米国債利回りの上昇も加わり、ドル円は堅調な動きとなった。一方、ポンドはマイナス金利導入の可能性が後退したとの見方が引き続き材料視され、ドルや円に対して堅調な動きとなり、対円で昨年9/1以来の高値をなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された米消費者物価指数が予想通りの結果となり、インフレの急伸が見られなかったことから米国債が反発となり、長期債の指標となる米10年債利回が低下したことを受けてドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロは米国時間終盤までドルや円に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
ECB総裁など当局者のユーロ高牽制とみられる発言や、イタリアの政局不安がユーロ下落の要因となっており、前日の海外市場からの下落が続いたが、東京市場では軟調な流れが一服しており、ドルや円に対して底固い動きとなった。ただ、日経平均株価の上昇も下支え要因となっているが、引き続きユーロの動きが注目される。
米国時間には、米新規失業保険申請件数の発表が予定されており、前週は年末年始が含まれていた週の統計だったことで申請件数が少なかった可能性があり、今回はその反動で一部では増加を予想する向きもあり、結果が注目されている。一方、バイデン政権の経済対策を巡る会見、パウエルFRB議長の発言が予定されており、こちらにも注目したい。
1/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(1/9までの週) ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
78.5万件 | 78.7万件 |
前回は市場予想を下回り、3週連続の減少となった。改善ペースは依然として緩やかな傾向であることが示されたが、年末年始が含まれていた週の統計であることから、申請件数が少なかったとの見方もある。今回は、前月から若干の低下が予想されているが、一部では前週の反動で増加するとの見方もある。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月輸入物価指数(前月比) ![]()
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
|
0.7% | 0.1% |
前回は市場予想を下回ったものの、プラスに改善した。石油や資材が大きく上昇したことが影響したが、食品・飲料がマイナスに落ち込んだことで上昇が抑えられた。今回は、前回から上昇が予想あれており、プラスが維持されると見られている。 |