前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円が序盤に103円台割れとなったが、この近辺では本邦実需のドル買いも観測され、底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が堅調な動きとなり、一時前日比568円高まで上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、午後には、東京都の新型コロナウイルス感染者数が2400人を超え過去最多となったとの報道を受けて、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなり、クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間には、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなり、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が減少したことや、バイデン次期大統領が正式に認定され、大規模な追加経済対策への期待が高まったことを受けて米主要株価指数が上昇したこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。さらに、米長期金利の上昇も加わり、ドルは対円で一時103.96まで上昇し、昨年12/15以来の高値となった。一方、ユーロ/円は2019年3/1以来、豪ドル/円は2019年4/17以来の高値をそれぞれ更新した。
米株式市場では、民主党が上下両院で多数派を握ることが確実になったことや、バイデン次期大統領が正式に認定されたことから、大規模な追加経済対策への期待が高まり、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、米新規失業保険申請件数や米ISM非製造業景況指数が良好な結果となったことも好感された。ダウ平均株価は211.73ドル高(+1.42%)で終了、一方ハイテク株中心のナスダックは326.69ポイント高(+2.56%)で終了した。なお、主要3指数はいずれも取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価序盤から堅調な動きとなり、一時前日比568円高まで上昇し、1990年8月以来の高値となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、豪ドル/円はドルや円に対して堅調な動きが続いた。
(2)午後に入り、東京都の1日の新型コロナウイルス感染を2400人超確認との報道受けて、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなり、投資家のリスク回避の動きも意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなり、対円でも底固い動きとなった。一方、ユーロや豪ドルなどは対ドルで下落したこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表された米新規失業保険申請件数が減少したことや、バイデン次期大統領が正式に認定されたことで、大規模な追加経済対策への期待が高まり、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。さらに、その後に発表されたISM非製造業景況指数が予想外の上昇となったことや、米10年債利回りが1.033%から1.086%まで上昇し、昨年3月以来の高水準を更新したことも加わり、ドルは対円で一時103.96まで上昇した。昨年12/15以来の高値となった。一方、ユーロ/円は2019年3/1以来、豪ドル/円は2019年4/17以来の高値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
本日は、米国の雇用統計の発表が予定されており、発表までは様子見ムードが強まり、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられ、ドルは小動きの展開が予想されている。
米雇用統計では、注目されている非農業部門雇用者数が6ヵ月連続で伸び幅の縮小が予想されており、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が続いていることが示されると見られている。その中で、先日発表されたADP雇用統計や、昨晩発表されたISM非製造業景況指数の雇用指数が予想以上に悪化したことから、本日発表される雇用者数の伸びも市場予想を下回るとの懸念が出ており、一部ではマイナスになるとの見方も出ている。そのため、結果が注目されており、結果次第では動きが大きくなる可能性も考えられる。
1/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
12月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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5.0万人 | 24.5万人 |
前回は市場予想を下回り、5ヵ月連続の伸び幅の縮小となった。新型コロナウイルスの感染再拡大が、労働市場にも影響していることが示された。今回は、さらに伸び幅の縮小が予想されており、先に発表されたADP雇用統計がマイナスとなったこともあり、一部では警戒感が強まっている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
豪ドル/円は堅調な動きが続いており、昨日2019年4/17以来の高値を更新しています。ここから堅調な動きが続くのか、やや調整の動きがあるのか注目されています。
オシレーターのRSIでは、有効なシグナルが出難い状況が続いていることから、トレンドラインやサポートを下抜けるまでは堅調な動きが継続する可能性が考えられます。
ここまでのトレンドの動きから、上値の目標はトレンドラインと並行のパラレルラインの81.15近辺と考えられ、その近辺での値動きが注目されます。
気まぐれ投資コラム
ドル/円の長期サイクル分析
ドル/円は、週足ベースの長期チャートで16.5年サイクルを見ることができます。この16.5年サイクルの中には、3つの5.5年サイクルが存在し、直近では2011年11月に16.5年サイクルがボトムを付け、新たな16.5年サイクルが始まったと考えられます。そして、16.5年サイクル上の高値は、最初の5.5年サイクル内に付けるパターンであることから、2015年6月に付けた125.86が現行の16.5年サイクルの高値であると考えられます。
16.5年サイクルの高値は底の上抜けないというパターであることから、125.86を上抜けるようなら、16.5年サイクルのトレンドが崩れると考えられます。その場合には、149.53を目指す展開も予測できます。なお、次の5.5年サイクルのボトムは2022年11月(±6ヵ月)、また現行の16.5年サイクルの最終ボトムは2028年5月(±6ヵ月)と予測できます。
一方、トップサイクルは、8.0年サイクルとなっており、現行の16.5年サイクル上の最初の5.5年サイクルのトップが2015年6月だったことから、次の5.5年サイクルの高値は2023年6月(±6ヵ月)と予測できます。
※出所:データを基にSBILMが作成