前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でドル/円が3/10以来の103円台割れとなったことで、値頃感のドル買いが先行したことや、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。その後は、ドイツの経済指標が良好な結果となったことや、欧州主要株価が上昇したことからユーロ買いが優勢となった。ドルは対欧州通貨などに対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の軟調な流れが一服し、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、欧州市場での103円60銭までの上昇からNY市場序盤に103.22まで下落したものの、その後は堅調な動きとなり、一時103.48まで上昇した。ただ、米追加経済対策の与野党協議では合意が確認されなかったことから景気回復の遅れも懸念され、上値は限定的だった。終盤にかけては、再び欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも上値の重い動きとなった。一方、ポンドは、英国とEUの通商交渉で、交渉期限が迫る中で依然として合意に至っていないことから上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、米国の追加経済対策を巡る協議進展への期待を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなり、主要3指数はいずれも取引時間中の最高値を更新した。しかし、新型コロナウイルスの感染急拡大による景気回復の遅れが懸念され、その後は軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に前日比40ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時273ドル安まで下落する場面もあり、124.32ドル安(-0.41%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは9.11ポイント安(-0.07%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が底固い動きが動きとなったものの、その後下げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなった。前日の海外市場でドル/円が102.87まで下落したことから、値頃感の買いも入った。さらに、事実上の週末を控えた五・十日に当たり、仲値公示にかけての通常を上回る実需のドル買い・円売り観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は、ドル買いの動きが一服となったものの、ドルが欧州通貨や資源国に対して堅調な動きが続いたことや、米長期金利の上昇も加わり、対円でも103.60まで上昇する動きとなった。一方、ユーロやポンドは対ドルで軟調な動きとなったことから、対円で上値の重い動きとなった。
(3)欧州時間に発表されたドイツのIFO企業景況感指数が市場予想に反して上昇となったことを好感し、ユーロは堅調な動きとなり、対ドルで一時1.2269まで上昇した。また、対円でも127.02まで上昇し、9/1以来の高値を付けた。しかし、アジア時間に付けた1.2272、前日の2018年4月以来の高値の1.2273を上回らなかったことから、その後は失速した。ドルは、ユーロなどの欧州通貨などに対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなり、103.19まで下落した。
(4)欧州時間にドルが欧州通貨や資源国通貨に対して売られたものの、米国時間に入るとその流れが一服し、ドル買い戻しの動きが先行した。ドル/円は、序盤に103.22まで下落したものの、その後は堅調な動きとなり、一時103.48まで上昇した。ただ、米追加経済対策で依然として与野党合意ができていないことから、新型コロナウイルスの感染急拡大による景気回復の遅れが懸念されており、上値は限定的だった。
(5)終盤にかけて、再び欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、ポンドは、英国とEUの通商交渉では、交渉期限が迫る中でも依然として合意に至っておらず、先行きに対する懸念を背景に、対ドルなどで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
米議会では、期間1日の暫定予算案を可決したことで、政府閉鎖回避となった。引き続き与野党協議が継続されることになったことから、ドルは底固い動きとなっている。ただ、週末にクリスマスを控えて、海外では週央頃から休暇を取得するも傾向もあり、徐々に市場参加者や売買が少なくなると見られている。そのため、限定的な動きも予想されている。さらに、休暇を控えたポジション調整の動きが進む可能性も指摘されている。その中で、流動性が低下する中で、まとまったフローが入ると急な動きとなる可能性も考えられることから、注意も必要だろう。
本日は、欧米の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、為替市場では株式市場や債券市場の動きが注目されている。さらに、交渉期限が迫る中で英国とEUの協議や、米追加経済対策の与野党協議に関するヘッドラインにも注意したい。