前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤に前日比200円超下落したことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。午後には、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。特に、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで2018年6月以来、対円で2019年4月以来の高値まで上昇した。欧州時間には、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米生産者物価指数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことを受けて、クロス円も上値の重い動きとなった。その後は、下落したダウ平均株価がプラス圏まで上昇するなど、米主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
米株式市場では、米国の追加経済対策の協議が難航していることが嫌気され、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、新型コロナウイルスのワクチンが承認され、経済が正常化に向かうとの期待感も根強く、終盤にかけて下げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比178ドル安まで下落しものの、その後はプラス圏を回復する動きとなり、47.11ドル高(+0.16%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックも下げ幅を縮小したものの、27.94ポイント安(-0.23%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は底固い展開で始まった。序盤プラス圏で推移した日経平均株価が下落に転じ、一時前日比203円安まで下落したこと受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、さらに午後に入り日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その中で、米国の追加経済対策に関する協議が難航していることや、ユーロ圏経済の下振れリスク懸念と通貨高牽制、さらに英国とEUの通商交渉難航を背景に、主要通貨が不安定な動きとなっていることから、安定感を求めて豪ドル買いが優勢となった。豪ドルは、対米ドルで2018年6/14以来、対円で2019年4/30以来の高値を更新した。ドルは欧州通貨やオセアニア通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、米国とEU制裁の影響でトルコ・リラ売りが優勢となり、一時ドルと円に対して11/24以来の安値を付けた。しかし、その後制裁の影響は限定的との見方が広がり、トルコ・リラの買い戻しが優勢となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米生産者物価指数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことから、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことからクロス円も上値の重い動きとなった。一方、難航する英国とEUの通商交渉に関して、両首脳の悲観的な発言を受けて、離脱移行期限となる年末までの合意は難しいとの見方が広がり、ポンドは主要通貨に対して下落となり、一時対円で11/9以来、対ドルで11/13以来の安値を付ける場面もあった。その後は、下落したダウ平均株価がプラス圏まで上昇するなど、米主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
本日のトレードポイント
本日の欧米市場では、主要な経済指標の発表が予定されていないことから新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は限定的な動きが予想されている。その中で、英国とEUの通商協議の行方、米国では追加経済対策に関する協議やワクチン承認などがマーケットの注目となっており、 関連する報道や要人発言には敏感に反応する可能性が考えられる。