前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比350円超上昇したこともあり、投資家のリスク選好の動きからドルや円が売られるた。ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などは堅調な動きが続いたものの、欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったドルは、対円でも上値の重い動きが続いたものの、クロス円が上昇したことに連れて、底固い動きとなった。その後、ドルは欧州通貨などに対して軟調な動きとなったことから、対円でも一段の下落となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となり、米長期債利回りが上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は104.40まで上昇後、伸び悩み104.15へ反落し104.24で取引を終えました。一方、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じたことから、クロス円は上値の重い動きとなった。また、ポンドは英国とEUの通商交渉の進展期待を背景に、欧州時間から堅調な動きが続いたものの、交渉の悲観的な見方が報道されたこと受けて、主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米株式市場では、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなり、主要3指数はいずれも取引時間中の最高値を更新した。しかし、連日最高値更新が続いたことから利益確定の売りに押されたことや、追加経済対策を巡る与野党協議の難航が嫌気され、主要株価指数は下落に転じ下げ幅を拡大する動きとなった。ダウ平均株価は、前日比105.07ドル安(-0.35%)で終了、一方、ハイテク株中心のナスダックは243.82ポイント安(-1.94%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から小動きの展開となった。一方、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大する動きとなったことから、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨は、ドルや円に対して堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、一時前日比359円高まで上昇したことから、クロス円は一段の上昇となった。ユーロ/円は序盤の126.06から126.52まで上昇した。一方、ドル/円は、104.11から104.18と非常に狭いレンジ内の動きが続いた。その後、クロス円の上昇に連れて、ドル/円も104.25まで上昇したものの、上値は限定的だった。欧州時間には、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。序盤に発表された米雇用関連や在庫統計が良好な結果となり、米長期債利回りが上昇したこと受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値104.09から104.40まで上昇した。一方、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなり、取引時間中の最高値を更新したことから、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。また、カナダ中銀の金融政策発表で、市場の予想通り政策金利や量的緩和のペースが現状維持となったことが好感され、カナダドル買いとなった。しかし、カナダ中銀総裁が、カナダドル高を牽制する発言をしたことや、原油価格の下落も加わり、カナダドルは下落に転じた。カナダ/円は、一時6/8以来の高値まで上昇していたものの、高値から反落となった。
(4)主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落して下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。一方、ポンドは英国とEUの通商交渉の進展期待を背景に、欧州時間から堅調な動きが続いたものの、交渉の悲観的な見方が報道されたこと受けて、主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
欧州では、ECB理事会の結果発表や、ラガルドECB総裁の定例会見が予定されている。マーケットでは、5000億ユーロ程度のPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の積み増しと、期間延長が予想されている。さらに、最近のユーロ高に対するECB総裁の牽制発言の可能性もあり、発言が注目されている。予想通りなら、ユーロの圧迫要因となる可能性も考えられる。ただ、ある程度織り込まれているとの見方があることに加え、最近の良好なユーロ圏の経済指標結果もあり、底固い動きを予想する向きもあり、結果とマーケットの反応が注目される。
米国市場では、新規失業保険申請件数、11月の消費者物価指数の発表が予定されている。前者は前回3週ぶりの減少となったが、感謝祭の祝日が含まれる週の統計であることから、集計が先送りされた可能性もあり、その影響が今週分に出ている可能性もあり、結果が注目される。
12/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.1% | 0.0% |
前回は市場予想を下回る結果となり、3ヵ月連続の低下となりました。一方、前年比では5ヵ月ぶりに伸び幅が低下となった。新型コロナウイルスの感染再拡大が影響していると見られている。今回は伸び幅の拡大が予想されているが、前年比やコア指数ベースでも上昇となるのか注目されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/5までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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72.5万件 | 71.2万件 |
前回は市場予想を下回る結果となり、3週ぶりの減少となった。前回は、感謝祭が含まれる週が対象だったことが影響した可能性も指摘されている。今回は、前週から増加が予想されているが、前週の未集計分がある場合には、今週分に含まれている可能性も考えられる。一方、継続受給者数は10週連続の減少となり、今回も減少が予想されている。 |