前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、200円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は実需のドル買い観測もあり、仲値公示にかけてドル/円は堅調な動きとなった。しかし、仲値通過後は上値の重い動きとなったが、全般的に狭いレンジ内の動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、ユーロや南ア・ランドは経済指標の良好な結果を背景に、堅調な動きもみられた。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きとなった。その中で、英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたことから、米国でもワクチンの実用化が加速するとの期待感につながり米主要株価指数が堅調な動きとなったころから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、英国とEUの通商交渉に関する思惑が交錯し、ポンドはドルや円に対しては乱高下となった。
米株式市場では、英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、米国でもワクチンが承認されるとの見方が強まり、実用化への期待感から、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前日比176ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ただ、終盤には上げ幅を縮小する動きとなったものの、104.09ドル高(+0.35%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、62.83ポイント高(+0.50%)で終了し、S&P500とともに取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比220円安まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ドル/円は103.96まで下落したものの、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル/円は一時104.09まで上昇した。
(2)仲値通過後は、ドル買いも一服して上値の重い動きとなった。一方、ECB理事会を控え、金融緩和への思惑が高まっていることから、ECB当局者のユーロ高牽制への警戒感からユーロは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ただ、アジア市場では、新規材料に乏しく、全般的に限定的な動きが続いた。
(3)欧州主要株価指数が軟調な展開で始まったことや、米株価先物市場でダウ先物が下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その中で、ドイツやユーロ圏のZEW景気指数が良好な結果となったことを好感してユーロ買いとなり、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、南アフリカの第3四半期GDPが市場予想を大幅に上回る伸びとなったことが好感され、南ア・ランドも主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、序盤からドルが欧州通貨や資源国通貨に対して上値の重い動きとなったことから、対円でも序盤から軟調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、値動きは限定的だった。その中で、英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたことから、米国でもワクチンの実用化が加速するとの期待感から米主要株価指数が堅調な動きとなったことからドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドル/円は上下20銭未満の狭いレンジ内の動きだった。一方、英国とEUの通商交渉に関する報道や要人発言を受けて思惑が交錯し、ポンドはドルや円に対して乱高下となった。
本日のトピックス
欧州時間には、ドイツと南アフリカの経済指標の発表が予定されているが、昨日は両国の経済指標が良好な結果となり、ユーロやランドが上昇したことから、本日の指標結果にも注目したい。さらに、英国とEUの通商交渉では、本日が交渉の期限予定とされていることから、引き続き関連する報道や要人発言などには注意したい。
米国時間では、米国の求人件数やカナダの政策金利発表が予定されている。前者は市場予想と大きく乖離しなければ、反応は限定的と考えられるが、後者は声明や当局者の発言を受けて、カナダ・ドルは比較的大きな動きとなるケースも多いことから、値動きには注目したい。
12/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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630.0万件 | 643.6万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、前月の結果から増加となり、緩やかな改善が続いていることが示された。自発的離職者が2月以降で最多となり、レイオフや解雇の数は減少した。今回は、前回から減少が予想されているが、感染拡大を背景に離職率が上昇しており、求人件数以外にも離職者数にも注目したい。 |