前営業日トピックス
週明けの東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、一時前週末比250円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、人民元の対ドルの基準値が2年半ぶりの高値に設定されたことでドルが売られ、ドル/円は一時104円台を割り込む動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小したことからドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、米株価先物市場でダウ先物が軟調な動きとなったことや、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨がドルや円に対して上値の重い動きとなった。その後、ドルの上昇も一服し、クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。その後は、ダウ平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、リスク回避の動きも意識されてクロス円は上値の重い動きとなった。一方、英国とEUの通商協議に対する思惑が交錯したことから、ポンドは乱高下となった。
米株式市場では、感染拡大に伴う経済活動の停滞がさらに深刻化するとの懸念を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、オープン直後に取引時間中の過去最高値を更新したものの、その後は下落が続き、終盤には一時前週末比251ドル安まで下落した。ただ、引けにかけて下げ幅を縮小し、148.47ドル安(-0.49%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、55.71ポイント高で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の株高を背景に日経平均株価が上昇して始まったものの、その後は上げ幅を縮小し、マイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米追加経済対策の早期成立への期待が高まったものの、日本の新型コロナウイルスの重症者数が過去最多を記録するなど、感染の拡大懸念が膨らんでいることが嫌気された。午後には、日経平均株価が下げ幅を拡大し一時前週末比250円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。さらに、中国人民銀行が人民元基準値を2年半ぶり高値に設定したことでドル売りが強まり、ドル/円は104円台を割り込み、103.94まで下落した。
(2)日経平均株価が終盤にかけて下げ幅を縮小する動きとなり、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。ドル/円は104.17まで上昇した。その後、米株価先物市場でダウ先物が軟調な動きとなったことや、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、投資家のリスク回避の動きなどから、欧州通貨や資源国通貨がドルや円に対して下落となったが、ドルは対円で堅調な動きとなり、104.31まで上昇した。
(3)米国市場では、欧州市場の軟調な流れが一服し、クロス円は底固い動きとなったものの、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したこともあり、序盤から対円で上値の重い動きとなった。その後は、上値の重い展開で始まったダウ平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、リスク回避の動きが意識されてドル買い戻しの動きから、クロス円は上値の重い動きとなった。一方、英国とEUの通商協議に対する情報を巡り楽観・悲観が交錯したことから、ポンドは乱高下となった。
本日のトピックス
欧州市場では、ドイツとユーロ圏の12月ZEW景況感調査、ユーロ圏の3Q GDPの発表が予定されている。一部でユーロ圏の景気回復が先行するとの見方もあり、最近のユーロの押し上げに寄与している。良好な結果となるようならユーロの支援材料となる可能性もあり、結果に注目したい。一方、英国とEUの通商協議に関しては、10日からEU首脳会議を控えていることもあり、9日が合意期限とされているが、依然として難航している。昨日も関連する報道や要人発言に一喜一憂して乱高下する展開となっていることから、本日もポンドの値動きには注意が必要だろう。また、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されていないことから、限定的な動きが予想されている。