前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場が休場だったことから、新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い展開で始まった。その後、月末を控えた実需のドル売り・円買いも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、ドル/円は一時103.91まで下落して11/23以来の104円台割れとなった。ただ、103円台では底固い動きとなり、再び104円台まで値を戻した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米国債利回りが低下したことから、ドルは終盤にかけて主要通貨に対して上値の重い動きとなった。感謝祭の翌日で大半が連休を取ることから市場参加者が少なく、さらに株式市場などが短縮取引だったこともあり、全般的に限定的な動きとなった。
米株式市場では、トランプ米大統領が、選挙人投票の結果次第では退任する意向を示したことで、政権交代を巡る不透明感が和らぎ、ダウ平均株価は25日終値と比べ142ドル高まで上昇するなど、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。その後、ダウ平均株価は一時マイナス圏まで下落する場面があったものの、37.90ドル高(+0.13%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは111.44ポイント高(+0.92%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新、またS&P500は終値ベースで最高値更新した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場が感謝祭の祝日で主要市場が休場だったことから、新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。下落して始まった日経平均株価がプラス圏に上昇する動きとなったものの、仲値公示にかけて、月末を控えた本邦輸出企業による円買い・ドル売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。ドル/円は一時104円台割れまで下落したものの、104円台では底固い動きとなった。
(2)下げが一服後は底固い動きとなり、ドル/円は値を戻した。さらに、一時前日比118円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は値を戻した。しかし、新型コロナウイルスの新規感染者が増加していることなどが圧迫要因となり、ドル円・クロス円は下落が続き、ドル/円は一時103.91まで下落した。
(3)欧州時間では、クロス円の堅調や、米国債利回りが上昇したことから、ドル/円も堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなり、クロス円は堅調な動きが続いた。その後、米国債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、ユーロは対ドルで9/1以来の高値まで上昇したこともあり、対円でも堅調な動きが続いた。一方、英国とEUの通商協議が難航していることが当局者の発言で改めて示されたことから、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドルや円に対して1週間ぶりの安値となった。ただ、感謝祭の翌日で大半が休暇を取ることから市場参加者が少なく、さらに株式市場などが短縮取引だったこともあり、全般的に限定的な動きとなった。
本日のトピックス
英国とEUの通商協議の先行き懸念が再び高まっており、ポンドはドルや円に対して軟調な動きが続いている。特に、関係者の発言により思惑が交錯する展開が続いていることから、関係者の発言や関連する報道には注意したい。
米国市場では、市場参加者が戻る感謝祭明けのマーケットの動きが注目されている。経済指標では、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の中古住宅販売仮契約の発表が予定されているものの、明日から週末の雇用統計まで重要な米経済指標の発表が続くことから、本日の結果に対する反応は限定的と考えられる。その中で、先週末のブラックフライデーの売り上げが好調だったかどうかが注目されており、関連する発表などに株価が反応する可能性も考えられる。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数 ![]()
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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59.2 | 61.1 |
前回は市場予想を上回ったものの、2018年12月以来の高水準となった9月の結果からは低下した。ただ、4ヵ月連続で景気の判断基準となる50を上回り、製造業の改善が続いていることが示された。今回は、さらに低下が予想されているものの、小幅低下にとどまり、高水準を維持すると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
10月中古住宅販売仮契約(前月比) ![]()
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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1.0% | -2.2% |
前回は市場予想を下回る結果となり、4ヵ月連続の伸び幅の低下となり、5ヵ月ぶりのマイナスとなった。低金利を背景に需要は好調だが、在庫不足や価格の高騰が影響していることが示された。今回は、上昇が予想されており、在庫不足がどの程度改善しているのか注目される。 |