前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、東京都のコロナ新規感染者数が500名以上で過去最多を更新との報道を受けて、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。欧州時間には、米株価先物市場でダウ先物がプラス圏に改善したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米国債利回りの上昇もあり、ドル/円は104.22まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がまちまちの結果となったものの、最近の感染拡大の影響が労働市場に再び影響していることが明らかになったこともあり、ダウ平均株価が200ドル超下落となるなど、リスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、民主党の上院院内総務が追加経済対策の与野党協議を再開することで合意したと発言したことを好感してダウ平均株価がプラスに転じたこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。一方、米金融当局者が「第4四半期はマイナス成長となる可能性も」と発言したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落し、対円では103.73まで下落する動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された新規失業保険新線件数が市場予想に反して上昇したことから、米国の景気回復が遅れるとの懸念が高まり、ダウ平均株価が序盤に前日比210ドル安まで下落した。終盤には、与野党が追加の経済対策に関する協議再開で合意したとの報道が好感され、ダウ平均はプラス圏まで反発し、44.81ドル高(+0.15%)で終了、一方、ITやクラウド事業関連株の上昇を背景にハイテク株中心のナスダックは、序盤から堅調な動きが続き、103.11ポイント高(+0.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場でダウ平均株価が300ドル以上の下落となったことを受けて、日経平均株価も序盤から下落して始まり、190円超下落したこともあり、クロス円は軟調な動きとなった。ドルは、対欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したこともあり、対円でも堅調な動きとなり、一時103.98まで上昇した。しかし、104円台を前にして上値の重い動きとなった。一方、豪州の雇用統計では、雇用者数の伸びが予想を上回ったものの、失業率が前回から上昇したこともあり、反応は限定的だった。
(2)米国債利回りが低下したことや、東京都の新規のコロナ感染者数が534人との報道を受けて、日経平均株価が一時前日比253円安まで下落したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、株価が引けにかけて急速に下げ幅を縮小したことや、米株価先物市場でダウ先物がプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を上回る増加となったものの、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想以上の上昇となるなど、強弱まちまちの結果となったことでマーケットの反応は限定的だった。ただ、このところの感染拡大の影響が米国の労働市場に再び影響していることが明らかになったことや、景気回復に対する懸念も高まり、ダウ平均株価が序盤から200ドル超下落するなど、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、民主党のシューマー上院院内総務が、共和党のマコネル院内総務と追加経済対策の交渉を再開することで合意したと発言したことで追加経済対策の合意期待が高まり、下落したダウ平均株価がプラスに転じるなど、クロス円も堅調な動きとなった。一方、クリーブランド連銀総裁が「経済データに減速がみられる」「FRBは超緩和的な政策を維持」、ダラス連銀総裁が「コロナの影響で第4四半期はマイナス成長となる可能性も」と発言したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落し、序盤に付けた104.04から103.73まで下落する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、新型コロナウイルスの新規感染者数に関して、以前は影響を考慮して東京都の新規感染者数は引け後に発表・報道されていたが、最近では引け前に報道されており、連日結果を受けて株価が反応しており、本日も関連する報道には注意したい。
米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないことから、株式市場や債券市場の動きが注目される。その中で、世界的に感染の拡大が続く新型コロナウイルス関連の報道に敏感に反応する可能性が考えられる。一方、大手格付け会社3社(ムーディーズ、フィッチ、S&P)による南アフリカのソブリン格付けの発表を控えており、発表を受けた南ア・ランドの動きが注目される。ただ、発表の時間が明確でないことから、発表が引け後になる場合には、週明けの動きが注目される。