前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の大幅上昇が一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小し、一時前日比マイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、欧州時間序盤には、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、下落していたダウ先物がプラス圏まで反発する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ユーロ圏とドイツの経済指標が悪化したことを受けて、ユーロは主要通貨に対して下落した。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その中で、ポンドは英国とEUの通商協議進展期待を背景に欧州時間からドルや円に対して堅調な動きが続いた。米株式市場は強弱まちまちの動きとなったこともあり、投資家のリスク選好の動きも高まらなかった。
米株式市場では、米製薬大手ファイザーのワクチン開発の進展期待に加え、経済活動回復への期待感からダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなった。しかし、その反面で在宅勤務拡大が追い風となっていたハイテク株中心のナスダックやS&P500は序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、終盤に一時前日比320ドル高まで上昇する場面もあり、262.95高(+0.90%)で終了し、終値ベースで2/12以来約9ヵ月ぶりの高値となった。一方、ナスダックは159.93ポイント安(-1.37%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では前日の海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。前日の海外市場の株高を背景に日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比440円高まで上昇したものの、その後は上げ幅を縮小する動きとなったことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。さらに、米国債利回りが低下したこともあり、ドル/円は上値の重い動きが続き、一時104.82まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅をさらに縮小し、一時6円安まで下落する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間には、米株価先物市場でダウ先物が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、ドル/円は再び105円台乗せとなった。
(3)ドイツやユーロ圏の11月ZEW景況感調査が市場予想を大きく下回る結果となったことから、ユーロは主要通貨に対して下落した。ドルはユーロに対して上昇したことや、米国債利回りの上昇を受けて対円で堅調な動きとなり、一時105.49まで上昇してこの日の高値を付けた。一方、英国とEUの通商協議が継続されており、大きな課題が残っているものの、ある程度の進展があったとの報道などが好感され、ポンドはドルや円に対して堅調な動きとなった。
(4)NY市場では、前日の大幅上昇が一服しており、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米株式市場でダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなったものの、ナスダック、S&P500が下落したこともあり、投資家のリスク選好の動きも盛り上がらなかった。一方、欧州時間からドルや円に対して堅調な動きが続いたポンドは、対ドルで9/4以来、対円で9/8以来の高値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
昨日の米株式市場では、ダウ平均株価が終値ベースで約9ヵ月ぶりの高値となり、欧州でも英FT100が7月以来、フランスCAC40が3月以来、独DAXが前日に9月以来の高値を更新しており、この動きを受けて、投資家のリスク選好の動きも高まっている。さらに、ユーロ圏では1.8兆ユーロ規模の景気対策の取りまとめに前進との報道や、米国でバイデン氏が「今経済対策が必要」と発言したこともあり、追加経済対策に対する期待感が高まれば、主要株価指数の一段の上昇も期待されている。そうなれば、ドル円・クロス円の押し上げ要因にもなることから、動向に注目したい。
本日の米国市場は、Veterans Day(ベテランズデー)のため、一部市場が休場となるが、株式市場、債券市場、商品市場はオープンする。ただ、米国の主要な経済指標の発表がないことや、市場参加者が少なくなることが予想されることから、限定的な動きも予想される。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、下値サポートであった104.00を下抜けて、一時103.177まで下落しました。しかし、その後急反発となり105.60台まで上昇しましたが、一目均衡表の雲近辺で上値が抑えられており、ここから失速するのか、雲を上抜けてさらに一段の上昇となるのか注目されます。
上値は、106.945から延びるトレンドラインや、雲上下ライン(下限105.400、上限105.524)がポイントと考えられ、ここを上抜ければ一段の上昇も期待できます。一方、下値のポイントは、一目均衡表の基準線の104.641(週末に104.609、週明け104.462)近辺と考えられます。
なお長大陽線(特に大きな値幅の陽線)の出現後であることから、明日まで狭いレンジの動きが続く場合には、日柄的に4営業日目となる週末に大きな動きとなる可能性も考えられるので、動きに注目です。