前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落するなど、アジアの株安を背景に、円を買う動きが先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、その後は日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨などに対して軟調な動きが続いたこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧米で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、経済の回復に対する懸念が高まったことから欧米の主要株価指数が下落となり、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、トランプ米大統領が追加の経済対策に関して、大統領選前に合意する可能性は低いとの見方を示したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は一時104.39まで下落した。
米株式市場では、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることから、経済への影響が懸念され、ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなった。ダウは終盤に一時前日比227ドル安まで下落する場面もあり、222.19ドル安(-0.80%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、IT大手の決算発表を控えて、堅調な業績への期待感が高まったことを背景に序盤から底固い動きが続き、72.41ポイント高(+0.64%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、海外市場の株安を背景に、日経平均株価が序盤から前日比260円超下落したことも圧迫要因となった。その後は、日経平均株価が下げ幅を大幅に縮小したこともあり、クロス円は底固い動きとなった。一方、ドルはユーロなどの欧州通貨や、豪ドルなどの資源国通貨に対して下落したことから、対円でも一段の下落となり、一時104.67まで下落した。さらに、前日に続いて人民元の対ドルの基準値が約1週間ぶりの元安水準に設定されたことから、オフショア人民元も一時元安となったが、下落は一時的でその後元高・ドル安となったこともドル円の圧迫要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価がさらに下げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドルは欧州通貨などに対して軟調な動きが続いたこともあり、対円ではやや上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ユーロは対ドルで上昇したこともあり、対円でも序盤は底固い動きとなった。しかし、欧米で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることを背景に、経済の回復に対する懸念の高まりから欧米の主要株価指数が下落となり、投資家のリスク回避の動きからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国の経済指標では、9月の耐久財受注が予想を上回ったものの、10月の消費者信頼感指数が予想を下回るなど、まちまちの結果となり、反応は限定的だった。さらに、トランプ米大統領やホワイトハウス報道官が、米国の追加の経済対策に関して、大統領選前に合意する可能性は低いとの見方を示したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は一時104.39まで下落した。
(4)ドル/円は、21日つけた安値の104.34が意識されて底固い動きが続いたが、クロス円は終盤までダウ平均株価が安値圏で推移したこともあり、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外市場でドル/円は一段の下げとなっており、ポンド/円も上値の重い動きとなった。前日の海外市場の流れを受けて、東京市場でクロス円はギャップダウンして始まるなど、上値の重い動きとなっている。ここから一段の下落となるのか、この近辺で踏みとどまるのか注目される。さらに、米大統領選まで1週間を切ってきており、一段と思惑が交錯する可能性もあり、世論調査など報道には敏感に反応する可能性も考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、米国の追加の経済対策を巡る協議や、大統領選挙に関連した報道などが注目されている。さらに、新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大しており、経済への影響も連想されることから、感染者数が拡大している場合には株式市場に影響が出る可能性も考えられる。
一方、カナダ中銀の金融政策発表が予定されており、今回は政策金利などが据え置かれると予想されている。ただ、据え置きの場合でも声明などを受けてカナダ・ドルが大きく動くケースがあることから注意したい。