前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことや、実需によるドル売り・円買い観測を背景に、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤に104.94まで上昇していたものの、104.67まで下落した。一方、米大統領候補討論会では、政策が議論されたが、両者の発言に新鮮味はなかったとの指摘もあり、マーケットの反応は限定的だった。その後、欧州時間ではドイツやユーロ圏の経済指標が良好な結果となったことから、ユーロが主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、米国の主要な経済指標の発表がなく、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は上値が重い動きとなった。一方、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなったが、フランスやイタリアでは新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を更新したとの報道を受けて、上値が重い動きとなった。
米株式市場では、新型コロナウイルスの治療薬として初めて抗ウイルス薬が正式に承認されたことを好感して主要株価指数は堅調な展開で始まり、ダウ平均株価は序盤に前日比72ドル高まで上昇した。しかし、経済対策の与野党協議の先行き不透明感が高まったとの見方から下落に転じた。その後、ダウ平均株価は、一時213ドル安まで下落したものの、引けにかけて下げ幅を縮小し、28.09ドル安(-0.10%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは終盤にプラス圏まで上昇し、42.28ポイント高(+0.37%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。しかし、実質的な五十日だったともあり、実需のドル売り・円買いが観測されたことや、上昇して始まった日経平均株価が一時マイナス圏まで下落したことなどが影響し、ドル円・クロス円は一段の下落となった。さらに、2回目の大統領候補者討論会を控えてポジション調整のドル売りも出たとの指摘もあった。ドル/円は、序盤に前日の海外市場で付けた高値の104.92を上抜けて104.94まで上昇したものの、その後は104.67まで下落した。
(2)米大統領候補のテレビ討論会では、前回から一転して政策論争となったが、両社の発言には新鮮味が感じられなかったとの見方も多く、マーケットでの目立った反応はなかった。欧州時間には、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが予想に反して良好な結果となったことから、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドルは対ユーロで下落したことも影響し、対円でも上値が重い動きとなった。
(3)下げ一服後にドル/円は、ユーロ/円などクロス円の上昇につれて堅調な動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、一時104.88まで上昇したものの、アジア時間につけた高値の104.94には届かなかった。
(4)米国の主要な経済指標の発表がなく、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は上値が重い動きとなった。一方、欧州時間からドルや円に対して堅調な動きとなったユーロは、フランスやイタリアでは新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を更新したとの報道を受けて、やや上値が重い動きとなる場面もあった。また、英国とEUの通商交渉で、懸案となっている漁業権の問題で楽観的な見方が示されたとの報道を受けて一時ポンドは上昇したものの、交渉に対する先行きの不透明感も根強く、その後は下落に転じてドルや円に対して上値が重い動きとなった。
本日のトピックス
米大統領選を来週3日に控えていることから、徐々に様子見ムードが強まることが予想され、限定的な動きが続く可能性も考えられる。ただ、世論調査で支持率などの数字により思惑が交錯する場合には、やや値動きの荒い展開となる可能性も指摘されている。一方、米大統領選後のドルの動きに対する思惑も交錯していることから、実需勢が米大統領選を前に早めに動くとの見方もあり、週末の五十日含め、仲値公示近辺の動きにも注目したい。
本日の米国市場では、新築住宅販売の発表が予定されており、引き続き米国の住宅市場の良好な結果が予想されている。ただ、マーケットではすでに良好な結果が織り込み済みとなっていることから、予想外の結果とならなければ反応は限定的と考えられる。
ドルはユーロや円に対して上値が重い動きとなっており、特にドル/円では105円台を前に上値が重い動きが続いている。戻り切れない場合には、日柄的に一段の下げとなる可能性も懸念されている。このことから、105円台乗せとなり底固い動きとなるのか、前日の安値(104.55)を下抜けて一段の下げとなるのか注目したい。
10/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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102.4万件 | 101.1万件 |
前回は市場予想を上回り、2006年9月以来の高水準となった。低金利が続く住宅ローン金利を背景に、住宅市場の好調さが示された。今回は、前回からさらに増加が予想されており、引き続き住宅市場の堅調さが示されるとみられている。 |