前営業日トピックス
前日の欧米市場の株安などを背景に、円買いが優勢となった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、午後には下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。欧州時間には、英首相の発言を受けて、英国の合意なき離脱の可能性が意識され、ポンドは一時主要通貨に対して下落した。
米国市場では、序盤に発表された9月の米小売売上高などが良好な結果となったことを受けて、ドル買いが優勢となった。一方、米主要株価指数が序盤から上昇したことから、クロス円も底固い動きとなった。ただ、その後は週末のポジション調整などもあり、全般的に小動きの展開が続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比348ドル高まで上昇した。終盤には上げ幅を縮小する動きとなり、112.11ドル高(+0.39%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にマイナス圏まで落ち込み、42.31ポイント安(-0.36%)と4営業日続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円が序盤から軟調な動きとなった。ロンドンがロックダウン、フランスが夜間外出禁止令を発令するなど、新型コロナウイルスの感染が欧州で再拡大していることを背景に、前日の海外市場でリスク回避の動きが強まった流れを引き継ぐ動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まったことも圧迫要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドルは対円でも軟調な動きとなった。下げ一服後は、ドル円・クロス円は底固いものの上値が重い動きとなった。一方、英首相が「EUの交渉姿勢に変化がない限り合意はできない」と発言したことを受けて、欧州時間にポンドは主要通貨に対して急落となり、ポンド/円は発言直前の136.42から135.50まで下落した。
(3)米国市場では、9月の米小売売上高が5ヵ月連続でプラスとなったことや、ミシガン大学消費者信頼感指数が7ヵ月ぶりの高水準となるなど良好な結果となったことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことからドル買いが優勢となった。一方、米景気の先行きへの警戒感が和らいだとの見方から主要株価指数が上昇したことから、クロス円も底固い動きとなった。
(4)終盤にかけては、主要株価指数が上げ幅を縮小したことや、週末のポジション調整などもあり、全般的に小動きの展開が続いた。一方、格付け会社のムーディーズが英国の格付けを「Aa2」から「Aa3」に引き下げたと発表したことから、ポンドは上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
マーケットでは、英国とEUの通商交渉の行方や、今週22日に控えている第2回目の米大統領候補の討論会に注目が集まっており、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ただ、関連する報道や要人発言には敏感に反応する可能性もあることから注意したい。
米国市場では、10月のNAHB住宅市場指数の発表が予定されており、好調な住宅市場が続いていることが示されると見られている。ただ、住宅市場の好調はマーケットでは織り込み済みであり、むしろ大統領選や追加の経済対策の動向が注目されていることから、指標結果を受けた反応は限定的だろう。
10/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
10月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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83 | 83 |
前回は市場予想を上回り、過去最高を更新した。低い住宅ローン金利を背景に、住宅市場の活況が続いていることが示された。今回は前回から横ばいが予想されているが、依然として好調が続くと見られている。当該指標は、NAHB(全米住宅建築業者協会)が加盟業者を対象に一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数であり、住宅市場の先行指標となる。 |