前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことも押し上げ要因となった。ドル/円は、米国債利回りの上昇も加わり、一時106.11まで上昇し、前日の高値に並んだものの、上抜けとはならなかった。その後、日経平均株価が上げ幅をさらに拡大したものの、米国債利回りが低下したことから、ドル/円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が減少したものの、予想ほどの減少とならなかったこともあり、反応は限定的だった。ドル/円は、その後も米国の政治・経済の先行き不透明感などもあり、方向性に乏しい動きとなり、上下11銭と狭いレンジ内の動きとなった。一方、ECB理事会の議事要旨で、ユーロ高が金融政策の効果を打ち消し、インフレ見通しに大きな影響を与えるとの当局者らの見方が明らかとなり、ユーロは主要通貨に対して下落した。ただ、下げ一服後は、米主要株価指数の堅調な動きなどもあり、終盤にかけて値を戻した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比155ドル高まで上昇した。その後は下落に転じ、一時37ドル安まで下落する場面もあったが、下げ一服後は持ち直して122.05ドル高(+0.43%)終了し、終値ベースで9/2以来の高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、56.38ポイント高(+0.50%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の株高を背景に、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことを好感し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時106.11まで上昇し、前日の欧州時間に付けた高値と面合わせとなったものの、上抜けとはならなかった。
(2)米副大統領候補の討論会が実施されたが、マーケットの反応は限定的だった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比278円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米国債利回りが低下したこともあり、ドル/円は上値の重い動きが続いた。
(3)106円台割れ近辺では値頃感の買い戻しの動きもあり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、クロス円も底固い動きとなった。米国市場では、アジア市場からの流れを引き継ぎ、ドル/円は小動きの展開で始まった。序盤に発表された米新規失業保険申請件数が減少したものの、予想程の減少とならなかったこともあり反応は限定的だった。一方、ECB理事会の議事要旨では、ユーロ高が金融政策の効果を打ち消し、インフレ見通しに大きな影響を与えるとの当局者らの見方が明らかとなり、ユーロは主要通貨に対して下落した。ユーロ/円は、NY時間序盤の高値124.72から124.37まで下落した。
(4)米国の政治・経済の先行き不透明感などもあり、方向性に乏しい動きとなり、NY時間では上下11銭と狭いレンジ内の動きとなった。一方、ユーロは下げ一服後、米主要株価指数の堅調な動きなどもあり、終盤にかけて124.60台後半まで値を戻した。また、NY原油がメキシコ湾に接近するハリケーンの影響で短期的な供給不安や、ノルウェーの石油施設でのストライキの影響で上昇していることから、産油国通貨のカナダ・ドルは米ドルや円になどに対して堅調な動きとなった。カナダ/円は9/15以来の高値となり、対ドルでも9/21以来の高値を更新した。
本日のトピックス
米国の政治・経済の先行き不透明感を背景にドルは方向感に乏しい動きとなり、ドル/円は昨日1日通したレンジは20銭に満たない狭いレンジ内の動きとなった。さらに、106円台で上値の重い動きが続いており、本日も上値の重い動きが続くようなら、週替わりで今週の流れが一服する可能性も考えられる。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、週末であることから、ポジション調整の動きも見込まれており、さらに米大統領選の世論調査でトランプ大統領の劣勢が伝えられていることから、トランプ大統領が積極的にアピールする可能性も考えられることから、要人発言や報道には注意も必要だろう。
10/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
8月卸売在庫(前月比) ![]()
卸売在庫は、製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
|
0.5% | 0.5% |
前回は市場予想と一致し、2019年4月以来の高い伸びとなった。2009年7月以来の低い伸びとなった6月の結果から2ヵ月連続の伸びとなった。耐久財は4ヵ月連続のマイナスとなったものの、非耐久財はプラスに転じた。今回は、伸び幅が前回から横ばいが予想されているが、良好な結果が続くと見られている。 |