前営業日トピックス
東京市場では、入院していたトランプ米大統領が退院したとの報道をもあり、小幅ながらドル円・クロス円は底固い動きとなった。日経平均株価は100円超上昇して始まったものの、その後は上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の金融政策発表で、政策金利の据え置きが発表され、豪ドルは一時上昇したものの、声明が利下げ観測を払拭する内容でなかったと受け取られたことから、その後は上値の重い動きとなった。欧州市場では、下落した欧州主要株価指数が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時105.70まで上昇したものの、アジア時間に付けた高値の105.78には届かなかった。終盤には、トランプ米大統領が「追加経済対策を巡る協議を大統領選後まで停止する」と表明したことから、米景気の回復遅れが懸念されて米主要株価指数が大幅下落となり、安全資産とされる円とドルが買われた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から底固い動きとなり、一時前日比205ドル高まで上昇した。しかし、トランプ大統領の表明を受けて、直前に付けていたこの日の高値から620ドル超下落する場面もあり、375.88ドル安(-1.34%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、177.88ポイント安(-1.57%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は一時105.78まで上昇したものの、海外時間の高値の105.79には到達しなかった。一方、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで9/16以来、対円で9/10以来の高値を付けた。その後、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)下げ一服後は、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドル/円は値を戻したものの、米10年債利回りが低下したことに合わせてドルは上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の金融政策発表では、予想どおり政策金利の据え置きが発表されたが、一部で0.10%への利下げ予想があったことから、発表直後は豪ドル買いが優勢となる場面もあった。しかし、声明が次回の利下げ観測の後退を示唆する内容ではなかったと受け取られたことから、豪ドルは上値の重い動きが続いた。
(3)下落した欧州主要株価指数が軒並みプラス圏に反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。米国市場でも欧州市場の流れを引き継ぎ、堅調な動きとなった。ドル/円は、米10年債利回りが6月以来の高水準まで上昇したことも加わり、一時105.70まで上昇したものの、アジア時間に付けた高値の105.78には届かずに上値の重い動きとなった。
(4)6月以来の高水準まで上昇した米10年債利回りが低下したこともあり、ドルは上値の重い動きとなった。その後、終盤にトランプ米大統領が「追加経済対策を巡る与野党協議を大統領選後まで停止する」と表明したことから、米景気の回復遅れが懸念されてダウ平均株価が高値から620ドル超下落するなど、米主要株価指数が大幅下落となり、投資家のリスク回避の動きが強まったことから、安全資産とされる円とドルが買われた。ドルは対円で一時下落したものの、ユーロやポンドなどの主要通貨に対して上昇したことから、下落一服後は底固い動きとなった。
本日のトピックス
トランプ米大統領は昨日病院を退院し、ホワイトハウスに戻ったが公務復帰まで静養をすると見られている。10/15には2回目の討論会が予定されていることもあり、ここまでに回復をアピールすることで挽回を図りたいところである。ただ、大統領選に向けた集会などの開催は難しいとの指摘もあり、十分な選挙戦が行えないことから、バイデン候補優勢との見方も広がっている。なお、バイデン氏は、コロナウイルス感染からの回復がまだならトランプ氏は討論すべきでないと牽制する発言をしており、トランプ米大統領の動向が注目される。
米国市場では、主要な経済指標の発表はないものの、前回9/15-16分のFOMC議事要旨が発表される予定であり、金融政策や米経済に関する具体的な議論の内容が注目されている。