前営業日トピックス
東京市場では、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領が本日中にも退院できるとの発表を受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が340円超上昇したことも押し上げ要因となった。ただ、退院後も大統領としての職務執行や、選挙活動が制限されるとの懸念もあり、ドルの上値は限定的だった。その後、堅調な日経平均をはじめ主要なアジア株の上昇を背景に、欧州主要株価指数が上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された9月の米ISM非製造業景況指数が予想を上回る結果となったことや、米国の追加の経済対策の合意期待が高まったとの見方が広がったことを受けて、米10年債利回りが6月以来の高水準となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米新型コロナウイルスに感染し入院しているトランプ米大統領が退院する可能性があるとの報道もドルの下支え要因となった。ドルは対円で一時105.79まで上昇し、その後も底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比479ドル高まで上昇した。その後も高値圏を維持したまま465.83ドル高(+1.68%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは257.47ポイント高(+2.32%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、トランプ大統領の容体が回復に向かっている可能性との報道を受けて、投機筋を中心とするドルの買い戻しが先行した。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、一時前週末比347円高まで上昇したことや、週明けの五・十日にあたり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも影響した。
(2)トランプ米大統領の容態は回復に向かっており、本日中に退院してホワイトハウスに戻るとされているものの、職務執行能力や、大統領選に向けた選挙活動が制約されるとの懸念もあり、先行き不透明感からドル円・クロス円は限定的な動きとなった。
(3)アジア株の上昇や、欧州主要株価指数が上昇して始まったことから、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、株価上昇などを背景に、安全資産とされるドルと円が売られた。ドルは対円で上値の重い動きとなったものの、クロス円は堅調な動きとなった。
(4)9月の米ISM非製造業景況指数が予想を上回る結果となったことや、米国の追加の経済対策の合意期待が高まったことを受けて、米主要株価指数も大幅上昇となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、新型コロナウイルスに感染して入院しているトランプ米大統領が退院する可能性があるとの報道もドルの下支え要因となった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが0.7088%から0.7817%まで上昇し、6月以来の0.78%台となったことことから、ドルは対円で105.79まで上昇し、その後も底固い動きが続いた。
本日のトピックス
本日朝方、新型コロナウイルスに感染し入院していたトランプ米大統領が退院したとの報道が流れたが、すでに退院は織り込み済みであったことから、マーケットの反応は限定的だった。むしろ、今後米国の大統領としての職務執行や、大統領選に向けた選挙活動が可能なのかどうか不透明感もあり、依然として株価などの下落リスクが残っているとの見方もあり、懸念が払拭できるのかどうかを見極めたい。
一方、欧米で主要な経済指標の発表がないことから、明日7日に予定されている米副大統領候補の討論会や、FOMC議事要旨、8日のECB理事会の議事要旨の内容にマーケットの注目が移っているとの見方も多く、やや限定的な動きが続く可能性も考えられる。
10/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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650.0万件 | 661.8万件 |
前回は市場予想を上回る結果となり、4月に2014年11月以来の低水準に落ち込んだ後は、3ヵ月連続の増加となった。緩やかな雇用の回復を後押しする傾向が示された。今回は、前回から若干の減少が予想されており、3ヵ月連続の増加が一服すると見られている。 |