前営業日トピックス
週明けの東京市場では、新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が上昇して始まったことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。しかし、仲値通過後はドル買いも一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。注目された自民党総裁選では、予想どおり菅官房長官が新総裁に選出されたが、マーケットの反応は限定的だった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ドル/円は先週の安値105.79を下抜けると下げ足を速め、一時105.55まで下落して8/31以来の安値を付けた。さらに、米国債債利回りが低下したことも影響した。ただ、安値更新後は値頃感の買い戻しが観測され、底固い動きが見られたものの、戻りは限定的だった。一方、ユーロは欧州時間序盤から対ドルで堅調な動きが続いたものの、ロンドンフィキシングにかけて失速するなど、上値の重い動きとなった。また、円に対しても軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比420ドル高まで上昇する場面もあった。引けにかけては上げ幅を縮小し、327.69ドル高(+1.18%)の27993.33ドルで終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは203.10ポイント高(+1.87%)の11056.65で終了した。セクター別では金融や資本財、ヘルスケアが1.4%超の上昇となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったものの、新規材料に乏しく、FRBや日銀の金融政策発表を控えて積極的な売買が手控えられていることから、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたものの、ドルの上昇は小幅に留まった。ただ、仲値通過後はドル買いも一服しており、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)投開票が行われる自民党総裁選では、菅官房長官が優位を保っていると報じられており、総裁選の結果はすでに織り込み済みとの見方が広がっており、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。そして、自民党総裁選では、予想どおり菅官房長官が自民党総裁に選出されたが、マーケットの反応は限定的だった。その後、ドルは欧州通貨などに対して上値の重い動きとなり、円に対しても上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨や、豪ドルなどの資源国通貨に対して上値の重い動きとなった。ドル/円は先週の安値105.79を下抜けると下げ足を速め、一時105.55まで下落して8/31以来の安値を付けた。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが0.675%から0.649%まで低下し約1週間ぶりの低水準まで低下したことも影響した。ただ、安値更新後は、値頃感の買い戻しが観測され、底固い動きが見られたものの、戻りは限定的だった。一方、ユーロは欧州時間序盤から対ドルで堅調な動きが続き、前日の高値の1.1874を上抜けて1.1888まで上昇した。ただ、ロンドンフィキシングにかけて1.1869まで失速するなど、上値の重い動きとなった。また、ユーロは円に対しても欧州時間に付けたこの日の高値125.90から125.29まで下落する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。政治的な注目があるものの、新規材料に乏しいことから、東京市場ではやや限定的な動きが予想される。一方、欧州時間には、ドイツやユーロ圏の9月ZEW景況感調査の発表が予定されており、ユーロ圏経済の見る上で注目されている指標であることから、結果を受けた動きに注目したい。
米国時間では、9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、8月鉱工業生産の発表が予定されており、比較的堅調な結果が予想されているものの、マーケットでは本日から始まるFOMC(結果発表は16日)に注目が集まっており、様子見ムードから指標結果が予想の範囲内なら反応は限定的と見られている。
一方、米国では、米西部太平洋岸のカリフォルニア、オレゴン、ワシントン州で、史上最悪規模の山火事が続いており、被害が拡大している。特に、オレゴン州の状況は最も深刻で、約50万人に避難準備指示が出されたと報じられている。現段階では、マーケットの反応は限定的と見られているが、経済的影響が指摘されるようなら、ドルは上値の重い動きが続く可能性もあるだろう。
9/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
9月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ![]()
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
|
6.5 | 3.7 |
前回は市場予想を下回り、2018年11月以来の高水準となった7月の結果から低下した。新規受注マイナスとなるなど、大きく減少したことが影響した。今回は、前回からの上昇が予想されており、景気の拡大・縮小の判断基準となるゼロ以上を維持できれば、製造業の回復が続いていることが示される。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月輸入物価指数(前月比) ![]()
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
|
0.5% | 0.7% |
前回は市場予想を上回ったものの、2012年3月以来の大幅な伸びとなった6月の結果から伸び幅が縮小した。食品・飲料が2ヵ月連続のマイナスとなったことや、石油の伸び幅が大幅に縮小したことが影響した。今回は、前回から伸び幅の低下が予想されているものの、伸びが維持されると見られている。 | ||||
22:15 | 米国 |
8月鉱工業生産(前月比) ![]()
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
1.0% | 3.0% |
前回は市場予想と一致し、1959年以来の大幅な上昇となった6月の結果から伸び幅が縮小した。全体を大きく押し上げる伸びとなった自動車・同部品の伸びが縮小したことが影響した。今回は伸び幅のさらなる縮小が予想されているが、2019年までの過去3年間の平均が0.2%であることから、依然として高い伸び幅が維持される。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート
ポンド/円は、一目均衡表の雲下限近辺で底固い動きが続いています。この近辺で底固い動きが続き、値を戻すのか、一段の下げとなるのか注目されます。
現状では、雲下限ライン(135.755)を下抜けおり、完全に下抜ける場合には一目均衡表では三役逆転(基準線転換線のクロス、遅行スパンの価格帯下抜け、雲の下抜け)の売りシグナルとなることから、下振れにも警戒です。一方、オシレーターのMACDでは、両線の下向きが続いており、先行するラインはゼロを下向けています。ただ、両線の乖離幅が現時点で前日より若干縮小していることから、このまま縮小が続くようなら一旦値を戻す展開を示唆する形状となることから、乖離の動きにも注目です。
下値のポイントは、直近安値の135.572となり、ここを下抜けると一段の下げの可能性も考えられます。その場合には、7月中盤にもみ合いが続いた133円台から134円台近辺を目指す可能性も考えられます。
上値のポイントは、雲下限ラインの135.755となり、このところ雲の中まで値を戻すものの、失速して上ヒゲの長い形が続いていることから、雲の中へ完全(終値ベースで)に戻りきることができるのか注目です。