前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場が休場だったことから新規材料に乏しく、ドルは序盤から狭いレンジ内の動きが続いた。一方、ユーロやポンドは前日の動きを引き継ぎ、ドルや円に対して軟調な動きとなった。しかし、その後時間外取引で米株価先物が急上昇したことを受けて、ユーロ、ポンドなどの欧州通貨や豪ドルなどの資源国通貨がドルや円に対して上昇する場面もあったが、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなり、再び上値の重い動きとなった。一方、ドルは対円で前日高値の106.38まで上昇した。
米国市場では、英国とEUの通商協議の先行き不透明感や、ECB理事会で緩和策継続との見方を背景に、ポンドやユーロはドルと円に対して軟調な動きとなった。ドル指数は一時4週間ぶりの高値を付けたものの、対円では軟調な動きとなった。その後、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされる円とドルが買われた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比668ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小したものの、632ドル安(2.25%安)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは465ポイント安(4.11%安)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場がレーバー・デーで休場だったこともあり、東京市場では新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったものの、反応は限定的だった。ドル/円は、上下10銭に満たない狭いレンジ内の動きとなった。一方、週後半のECB理事会を控え、ユーロはポジション調整が流入しているとの観測から上値の重い動きとなった。さらに、前日にEUとの通商問題を巡り、今年末の移行期間終了時までにまとまらないとの懸念から、ポンドはドルや円に対して2週間ぶり安値圏に下落した。
(2)ユーロ、ポンドなどの欧州通貨や、豪ドルなどの資源国通貨が円やドルに対して軟調な動きが続き、さらに欧主要株価指数が序盤から下落したことも影響した。一方、ドルは対円で底固い動きとなり、前日のアジア時間に付けた高値の106.38まで上昇した。
(3)米国市場では、英国とEUの通商協議の先行き不透明感が引き続き材料視されたことに加え、ECB理事会では政策変更はないとの見方が優勢となっていることを背景に、ポンドとユーロはドルや円に対して軟調な動きとなった。ポンドは対円で7/31以来、対ドルで8/4以来の安値を付けた。さらに、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされる円とドルが買われた。一方、ドルは円に対して軟調な動きとなり、一時1週間ぶりに106円台割れとなったものの、円以外の主要通貨に対しては堅調な動きとなり、ドル指数は一時4週間ぶりの高値を付けた。
(4)下げ一服後、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、ドル/円は105円台では買い意欲も根強く、106円台まで値を戻して終了した。
本日のトピックス
引き続き、英国とEUの通商問題の先行き懸念を背景に、ポンドは軟調な動きが続いているが、英首相が昨年結んだ離脱合意の書き換えをしようとしおり、これが国際法に違反することや、閣僚が辞任したこともあり、離脱合意そのものに対する懸念も高まっており、ポンドだけでなくユーロ相場にも影響している。このことから、引き続き欧州通貨の動きに注意したい。
米国市場では、7月のJOLT労働調査[求人件数]の発表が予定されているが、2ヵ月前の統計データであることから、予想通り前回から増加となった場合でも反応は限定的だろう。
9/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
7月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
|
600.0万件 | 588.9万件 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となった。経済活動が再開となる中で、採用が堅調なペースを維持していることが示された。採用件数は、過去最多となった5月の結果からは鈍化したものの、過去2番目の高水準となった。今回は、若干の増加が予想されており、引き続き採用活動の堅調さが示されるのか注目される。 |