前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価がプラス圏まで上昇したことに加え、円売りが優勢となり、小幅ながらドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州市場では、欧州通貨買いが先行し、ユーロやポンドはドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、欧米の主要株価指数は堅調な動きとなったことが影響し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米食品医薬品局が回復した人の血漿を使用した治療法の緊急使用を許可したとの報道を受けて、新型コロナウイルス感染の治療法への期待が高まったほか、米国債利回りの上昇も加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は終盤に106.00まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、終盤には前日比384ドル高まで上昇した。その後も高値圏を維持したまま378ドル高(+1.35%)で終了し、28000ドルを回復して2月下旬以来約半年ぶりの高値となった。一方で、ハイテク株中心のナスダックは67ポイント高(+0.60%)で終了し、3日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。日経平均株価が下落して始まったことから、序盤はやや上値の重い動きとなった。仲値公示にかけて実需筋のドル売りが観測されたこともあり、ドル/円は105.69まで下落した。
(2)下落して始まった日経平均株価がプラスに転じたことに加え、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は、一時105.92まで上昇したものの、106円台を前にして上値の重い動きとなった。その後、欧州時間に入って欧州勢がユーロやポンドなどの欧州通貨買いを先行させたことから、ユーロやポンドはドル、円に対して堅調な動きとなった。一方で、ドルは長期金利の低下もあり、対円で上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、欧米の主要株価指数が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、米食品医薬品局が回復した人の血漿を使用した治療法の緊急使用を許可したことや、トランプ米政権が10月にも英製薬大手のワクチンの緊急使用許可を検討していると伝わったことなどを受けて、新型コロナウイルス感染の治療方法への期待が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる10年債利回りが0.620%から0.6555まで上昇したことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は終盤に106.00まで上昇した。一方で、先週のユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことが引き続き懸念され、ユーロはドルや円に対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩は、米国の主要な経済指標の発表がなかったが、新型コロナウイルスの治療法への期待が高まったことが材料視された。現在のマーケットでは、コロナのワクチンなど治療関連の報道、それに伴う米経済の回復期待、米中関係の緊張、米大統領選挙関連が主な注目材料となっており、加えて、ジャクソンホールでのFRB議長の発言(8/27)も注目されている。一方で、先週ユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことから、ユーロはやや軟調な動きとなっているため、本日発表されるドイツのGDP(確報値)やIFO[景気動向]の結果が注目されている。また、ユーロ買いのポジションが積み上がっていることから、一部ではポジション調整に対する懸念も出ている。
本日の米国市場では、8月の米消費者信頼感指数や7月の新築住宅販売件数の発表が予定されており、先週末の米国の経済指標が良好な結果となったことから、一部では引き続き良好な結果が予想されている。ドル/円は、先週から106円台で上値の重い動きが続いていることから、106円台で定着できるのか、それとも引き続き上値の重い動きが続き、105円台で推移するのか注目したい。
8/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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93.0 | 92.6 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりに低下した。新型コロナウイルスの感染が再び拡大したことで、米国の経済や労働市場に対する懸念が高まり、現況指数は上昇したものの、期待指数が4ヵ月ぶりの低水準に低下したことが影響した。今回は、前月から若干の上昇が予想されているが、前回大幅に低下した期待指数が回復するのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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10 | 10 |
前回は3ヵ月連続の上昇となり、1月以来の高い伸びとなった。過去最低となった4月から製造業の改善が続いていることが示された。今回は、前回から横ばいが予想されており、引き続き堅調さが維持されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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77.6万件 | 77.6万件 |
前回は市場予想を上回り、2007年7月以来約13年ぶりの高水準となった。すべての地区で増加となり、住宅市場の堅調さが示される結果となった。過去最低水準の住宅ローン金利の影響で、住宅市場の堅調さが続くとの見方もあるが、今回は前回から横ばいが予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は、126.75の高値から軟調な動きが続いていましたが、一目均衡表の基準線近辺でサポートされており、底固い動きとなっています。ここから底固い動きが続き、再び堅調な動きとなるのか、それとも基準線を下抜けて軟調な動きとなるの注目されます。
下値のポイントは、一目均衡表の基準線と考えられ、本日は124.611に位置しています。8/26から8/28までは124.797で推移し、来週8/31には124.882まで上昇します。基準線を下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられます。
一方、オシレーターのMACDでは、両線クロスして下向きとなっており、目先の軟調な動きを示唆する形状となっています。さらに、両線の乖離幅の拡大傾の向が続く場合にはその傾向が強まる可能性も考えられます。
上値のポイントは、一目均衡表の転換線(本日は125.597)と考えられ、ここを上抜けると底固い動きが続く可能性も考えられます。