前営業日トピックス
海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から軟調な動きとなった。米国の追加経済対策を巡り与野党協議が難航していることや、米中対立激化懸念が引き続き材料視されており、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が上昇に転じたことや、米国の追加経済対策が合意に近づくとの期待感を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間には再びドルが主要通貨に対して下落となり、ドル/円は105.17まで下落したが、アジア時間に付けた105.10には届かなかったことから、ドル買い戻しが優勢となった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米国の追加経済対策の与野党合意への進展期待が高まったことに加え、ここまでドル売りが続いたことによるドル買い戻しも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、FOMCの議事要旨で、よりハト派的になるとの思惑が後退したこともドルの押し上げ要因となった。加えて、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル/円は106.10まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比142ドル高まで上昇した。終盤にはマイナス圏まで下落し、85ドル安(-0.31%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、64ポイント安(-0.57%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は、前日の海外市場で付けた安値の105.28を下抜けて、一時105.10まで下落し、7/31以来の安値を更新した。
(2)値頃感の買い戻しに加え、仲値公示にかけて輸入企業によるドル買いが観測されたが、売り買いが交錯し、小動きの展開となった。その後、ペロシ米下院議長、合意目指し経済対策の規模を縮小する可能性を示唆との報道や、トランプ政権は5000億ドルに規模縮小した経済対策で合意の公算を予想との報道を受けて、合意への進展期待からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)新規材料に乏しい中で、FOMCの議事要旨の発表を控えていることもあり、限定的な動きとなった。その中で、円買い戻しが優勢となった。さらに米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は105.17まで下落した。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。NY市場のオープン前の欧州市場でドル/円は一時105.17まで下落したものの、アジア時間に付けた安値105.10には届かなかったことから下げが一服し、ドルの買い戻しが優勢となった。米国の主要な経済指標の発表がなかったものの、米国の追加経済対策の与野党合意への進展期待に加え、ここまでドル売りが続いたことによるドル買い戻しのも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(5)FOMCの議事要旨では、何人かのメンバーがイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の導入に否定的な見方を示したことが明らかとなり、よりハト派的になるとの思惑が後退したこともドルの押し上げ要因となった。さらに、長期金利の指標となる米10年債利回りが0.644%から0.686%まで上昇したことから、ドル/円は106.10まで上昇した。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、ドル売りの流れが一服し、ドル買い戻しが優勢となった。背景には、米国の追加経済対策の与野党合意に対する期待感や、FOMC議事要旨で金融緩和策が強化されるとの思惑が後退したことが影響した。引き続きドルは底固い動きが続くのか注目される。
本日の米国市場では、8/15までの週の新規失業保険申請件数と、8月のフィラデルフィア連銀景況指数の発表が予定されている。失業保険関連の指標は、失業保険の上乗せが7月末で終了したことが影響している可能性も指摘されており、今回も減少が予想されている。一方、後者は低下が予想されているが、先に発表されたNY連銀指数は予想以上の低下となったことから、一部では予想を上回る低下を予想する向きもあり、結果が注目される。なお、NY連銀指数の発表時には、ややドル売りに反応したこともあり、結果とマーケットの反応が注目される。米経済指標の結果が良好なら、昨日からのドル買いの流れが加速する可能性も考えられる。
8/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(8/15までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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92.0万件 | 96.3万件 |
前回は市場予想を下回り、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった3月以降で初めて100万件を下回った。一方、継続受給者数も予想を下回る結果となり、週600ドルの上乗せが7月末に失効したことが影響した可能性も考えられる。今回は、さらに減少が予想されており、労働市場の改善傾向が続いていることが示されると見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つであり、ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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21.0 | 24.1 |
前回は市場予想を上回ったものの、2月以来の高水準となった6月の結果から低下した。新規受注、雇用者数が上昇したものの、在庫がマイナスとなったことや、出荷が低下したことが影響した模様。今回は、前月からさらに低下が予想されているが、依然として高水準を維持すると見られている。 |