前営業日トピックス
海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、日経平均株価が序盤から下落して始まったことが影響し、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円も上値の重い動きとなった。ドル/円は、米国債利回りの低下も加わり、一時105.46まで下落した。欧州市場では、欧州主要株価指数が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、その後欧州株がプラス圏まで反発したこともあり、底固い動きとなった。
米国市場では、米国の追加経済対策の与野党協議が難航していることや、米中対立激化懸念が引き続き材料視されており、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。序盤に発表された7月の米住宅着工件数が市場予想を上回ったことを好感してドル/円は105.57まで上昇する場面もあったが、上昇は一時的だった。その後、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続き、対円でも105.28まで下落し、終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が上昇して始まったものの、その後は下落に転じて一時前日比176ドル安まで下落した。下げ一服後は下げ幅を縮小し、66ドル安(-0.24%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、81ポイント高(+0.73%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。さらにS&P500も2/19以来半年ぶりに最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い展開となった。日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比147円安まで下落したことも圧迫要因となった。その中で、米国の追加経済対策に関する与野党協議が難航していることや、米中の第1段階通商合意の履行状況を検証するための閣僚級会議が延期されたことで、米中対立の激化懸念が広がっていることが材料視され、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は一時105.57まで下落した。
(2)ユーロは対ドルで堅調な動きとなったものの、欧州主要株価指数が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、対円では上値の重い動きとなった。一方、ドル/円は上値の重い動きが続いており、米国債利回りの低下も加わり、一時105.40まで下落した。その後、欧州主要株価指数がプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。序盤に発表された7月の米住宅着工件数が市場予想を上回り、2月以来の水準まで改善したことを好感して、ドル/円は105.57まで上昇した。ただ、上昇は一時的となり、その後もユーロやポンドなどの欧州通貨や、資源国通貨に対して下落が続いたことから、対円でも105.28まで下落し、7/31以来の安値となった。一方、ユーロは対ドルで2018年5月以来の高値を更新し、豪ドルも対ドルで2019年2月以来の高値となった。ドル売りの背景としては、米国の追加経済対策の与野党協議が難航していることや、米中対立激化懸念が引き続き材料視された。
(4)下げ一服後、ドルは底固い動きとなったものの、ドル指数(主要通貨に対して指数化)では、一時2018年5月以来の低水準まで低下するなど、大半の主要通貨に対してドルが軟調な動きとなり、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いており、東京市場に入ってもドル/円は軟調な動きが続いており、さらに一段の下げとなる可能性も考えられる。懸念材料となっている米国の追加経済対策などに進展が見られれば、反発する可能性もあるだろう。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きが予想されている。ただ、FOMCの議事要旨の発表が予定されており、議論の内容が注目されているが、FRBが引き続きハト派的だったことが改めて確認されると見られており、反応は限定的だろう。