前営業日トピックス
日本の4-6月期の実質GDPが戦後最大の落ち込みとなったものの、為替市場では目立った反応は見られなかった。ただ、日経平均株価は序盤から軟調な展開で始まり、200円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しく限定的な動きとなった。欧州時間には、上昇して始まった欧州主要株価指数がマイナス圏まで下落したこともあり、円買いの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。序盤に発表された8月のニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなったこともあり、クロス円も上値の重い動きが続いた。ドル/円は、米国債利回りの低下も加わり、一時105.94まで下落し、1週間ぶりの106円台割れとなる場面もあった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に前週末比67ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて軟調な動きとなり、一時114ドル安まで下落した。終盤まで上値の重い動きが続き、86ドル安(-0.31%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、110ポイント高(+1.00%)で終了、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場の序盤に発表された4-6月期の日本のGDPが戦後の統計開始以来、事実上最悪の落ち込みとなったが、為替市場の反応は限定的だった。ただ、日経平均株価が下落して始まり、200円超下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、狭いレンジ内の動きとなった。さらに、第1段階の米中通商協議の履行状況を検証する閣僚級会議が延期され、注目されていた材料がなくなったことも影響した。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したものの、下値は限定的となり、底固い動きとなったことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。その後、米長期債利回りが低下したこともあり、ドル/円は上値の重い動きとなり、さらに円買いが進んだことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、ドル/円は106.32まで下落した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。序盤に発表された8月のニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は一時105.94まで下落し、1週間ぶりの106円台割れとなった。ただ、106円台割れ近辺では値頃感の買い戻しもあり、底固い動きとなった。その後もドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きが続いたことから、対円でも上値の重い動きが続いた。一方、株式市場でダウ平均株価が下落したことが影響し、クロス円も上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
米国の追加の景気対策に関した与野党協議が依然として難航していることや、米中対立懸念も意識され、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなっている。海外市場に続いて、東京市場でも1週間ぶりの106円台割れまで下落している。新規材料に乏しい中で、105円台で推移するのか、106円台に戻して底固い動きとなるのか注目されている。
米国市場では、7月の住宅着工件数の発表が予定されており、住宅ローン金利の低下などを背景に、一段の増加が予想されている。昨日発表された住宅市場の先行指標とされるNAHB住宅市場指数は、8月の結果だったが、7月分も堅調な結果だったことから、改善期待が高まっている。ただ、一部では7月に新型コロナウイルスの感染が再び拡大した影響が出ている可能性を指摘する向きもあり、結果が注目される。
8/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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124.0万件 | 118.6万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、2ヵ月連続の増加となった。経済活動の停止が緩和されてことが影響し、住宅ローン金利の低下もあり、4月の大幅減少が一時的だったことが示された。今回は、されに増加が予想されているが、7月に新型コロナウイルスの感染が再び拡大したこともあり、予想通りの増加となるのか注目されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上昇一服から一段の下落となっており、一目均衡表の基準線近辺まで下落しています。ここから底固い動きとなるのか、基準線を完全に下抜けて一段の下げとなるのか注目されます。
オシレーターのMACDは、両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインが下向きとなっていることから、両線がクロス場合には下げを示唆する形状となることから注目です。
下値のポイントは、(1)105.858(基準線)、(2)105.301(サポートポイント)、(3)105.000(心理的ポイント)となり、(3)を下抜ける動きとなる場合には、104.188が意識される可能性も考えられます。
上値のポイントは、(1)106.172(転換線)、(2)106.653(前日高値)、(3)107.04(直近高値)となります。