前営業日トピックス
週明けの東京市場では、ドル円・クロス円が底固い動きとなり、ドル/円は一時106.43まで上昇した。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、500円超上昇となったこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。ただ、仲値公示近辺では実需のドル売り・円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、ドルが主要通貨に対して下落したことから、対円でも一段の下げとなった。しかし、下げ一服後は買い戻しが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなり、ナスダックが最高値を更新するなど、堅調な動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、米国債利回りが上昇したことも加わり、アジア時間に付けた高値の106.43を上抜けて106.47まで上昇し、7/24以来の高値を付けた。その後は上昇一服となり、ドルがユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったこともあり、ドルは対円でも105.91まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比278ドル高まで上昇した。その後は高値圏で推移し、236ドル高(+0.89%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、157ポイント高(+1.47%)で終了して4営業日続伸。終値ベース、取引時間中の過去最高値をともに更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の引け後に格付け会社が米国の格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことが材料視され、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、下げが小幅にとどまったことや、日経平均株価が上昇して始まり、400円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、M&Aがらみのドル買い・円売りも加わり、前週末の海外市場で付けた106.06を上抜けて、106.43まで上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。
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(2)ドル/円は、106円台では利益確定の動きが強まったことに加え、仲値公示近辺では実需のドル売り・円買いが観測されたことも圧迫要因となり、再び105円台に押し戻された。一方、クロス円も上昇一服から反落となった。さらに、欧州時間に入り、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して一段の下落となったこともあり、対円でも105.58まで下落した。
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(3)下げ一服後、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、上値の重い展開で始まった欧州主要株価指数が上げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、M&Aがらみのドル買い・ユーロ売りや、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、米10年債利回りが0.534%から0.570%まで上昇したことも加わり、一時106.47まで上昇し、7/24以来の高値を付けた。
本日のトピックス
ドル/円は、先週末に一時104円台前半まで下落したものの、その後は急反発となり値を戻した。ただ、チャートのポイントが複数ある106円台前半ではやや上値の重い動きとなっているものの、106円台割れ近辺では底固い動きも見られる。このことから、ここから一段の上昇や下落する場合には、新規の材料に左右される可能性が考えられる。特に、米国の追加経済対策の与野党合意とその内容、週末の米雇用統計などが注目されている。
本日の米国市場では、6月の米製造業受注指数の発表が予定されているが、重要度の高い指標ではないことから、市場予想と大きく乖離する結果とならなければ、反応は限定的だろう。一方、前日に過去最高値を更新したナスダックなど、続伸となった米主要株価指数の動きにも注目したい。
8/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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5.0% | 8.0% |
前回は市場予想を下回ったものの、過去最大のマイナス幅となった4月の結果からは大幅な上昇となり、2014年7月以来の大きな伸びとなった。経済活動の再開が進んだことが、製造業の押し上げ要因となった。今回は、前回から上げ幅の縮小が予想されているものの、依然として大きな伸びが予想されている。 |